出版社内容情報
自分を大事にしないと、誰かを大切にすることはできない。
日々の暮らしのこと、これからやりたいこと、大切な思い出、人。
50代を迎えた著者が、楽しく生きるコツを考えるエッセイ集。
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家族は大切で、家族と過ごす時間は何より楽しい。
でも、自分を大切にすることを一番にして、これからは生きていきたい。
--さあ、楽しくやろう。
内容説明
子育て、介護、体調不良、仕事…難題山積み、50代、女。自分の「楽しい」をあきらめない。自分もみんなも機嫌よく生きるために毎日奮闘中!愛と笑いと涙でぶっ飛ばすエッセイ集。
目次
1 家族のことをがんばらない(あの頃の私に言ってあげたいこと;肩の力を抜いていこう;これからの母 ほか)
2 暮らしを穏やかにする(わが家の欅;人とともに生きるということ;ハリーくんとの冬 ほか)
3 なつかしい人と味(動物好きのパン屋さん;母とタータンチェック;「家族」のあとで ほか)
著者等紹介
村井理子[ムライリコ]
翻訳家・エッセイスト。1970年静岡県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
166
ドキリとするタイトルだが、想像したのとは違うのだ。そうだ、村井さんは幸せなのだ(笑)書き下ろし含め30編とあとがき。一番うんうんと共感したのは『子離れと嫉妬』だ。夫に「寂しいんだろ。」って、言われたあの日(大学入学で自宅を離れた15年前)の事が昨日のことのように思い出される・・2023/06/12
ネギっ子gen
77
【これからどんな生活が待ち構えているのか私には見当もつかないが、きっとどうにかなるものだと思う。自分自身を大切にするのを忘れない限りは】 「読まれないプロ」を自認する50代の著者が、自らの思いを正直に綴ったエッセイ。<子供はなにより大事な存在だけれど、それと同じぐらい、自分も大事だという気持ちは決して間違いではないと思う。私は今まで、二人の息子たちを無事育てたいと思うあまり自分を犠牲にし続け、それを愛情の証だと勘違いしていた。それが原因のひとつとなって、大きく体調を崩し、あやうくすべてを失いかけた>と。⇒2023/03/23
とよぽん
68
期待通りの素敵なエッセイだった。双子の男の子を育てる日々、翻訳家でありエッセイストである村井さんの直球本音が語られている。自分の心身を大切に、というメッセージが優しくて切実。今回一番よかったのが「『母親になって後悔してる』についての文章。社会が暗黙のうちに要求する「母親」のあり方と役割、これは個人や家族の問題ではなく、社会の問題だと改めて思う。2023/04/11
レモングラス
62
翻訳家でエッセイストの村井理子さんが、必要以上に頑張りすぎていたことに気づいたのは、心臓弁膜症手術をして半年が経過した頃だった。自分の時間の多くを家族のために捧げ、家の中のことが万事うまくいくように努力を重ね、家族の幸せが自分の幸せだと思い、それが自分自身を削る行為だったことに全く気づかないままで、しばらくの間、心不全になっていたことにも気づかず、倒れた日も夕食の買い物に。とうとう体は動かなくなった。育児疲れで、夫が真っ青になるほど感情を爆発させた日もあったという。自分を大切にすることを一番に、とある。2023/04/12
よつば🍀
55
ちゃぶ台返しの装丁とタイトルから想像していた内容とは全然違う。夫に逝って貰って、残りの人生を一人悠々自適に過ごしたい願望を描いたエッセイだとばかり思っていた。蓋を開ければ、寂しがりの村井さん。夫や双子の息子、愛犬のハリーと日々色々ありながらも穏やかな暮らしぶり。以前読んだ事実に基づいて書かれた『全員悪人』や、自身の闘病記を綴った『更年期障害だと思ってたら重病だった話』また、衝撃を受けた『家族』で村井さんの波乱万丈な生き様を知っていただけに本作でなんだかホッとした。悲しみも喜びも真っ直ぐに伝わるエッセイ集。2023/03/08