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出版社内容情報
〈陸と海、定住と遊動、生と死、虚構と現実、セクシュアリティ…〉
──境界線が溶け合うとき硬直した世界に未来の風景が立ち上がる。
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人は避けがたく、ほんの気まぐれな偶然から、ある者は生き残り、ある者は死んでゆくのです。巨大な災害のあとに、たまたま生き残った人々はどんな思いを抱えて、どのように生きてゆくのか。思えば、それこそが人間たちの歴史を、もっとも深いところから突き動かしてきたものかもしれません。(本文より)
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いくつもの不条理なできごとの底知れぬさみしさを抱えて、それでもなお生きるための思考。
内容説明
陸と海、定住と遊動、生と死、セクシュアリティ…境界線が溶け合うときあらたな未来がひらかれる。不条理に底知れぬさみしさを抱えてそれでもなお生きるための思考。
目次
夜語りの前に
第1夜 しなやかにして、したたかに。汝の名は
第2夜 東北から、大きなさみしさを抱いて
第3夜 渚にて。潟化する世界のほとりで
第4夜 民話という、語りと想像力のために
第5夜 遊動と定住のはざまに、生きよ
著者等紹介
赤坂憲雄[アカサカノリオ]
1953年、東京生まれ。学習院大学教授。専攻は民俗学・日本文化論。『岡本太郎の見た日本』でドゥマゴ文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞(評論等部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
40
災間という言葉は、初見。読み進める間に、その意味が少しずつ自分の中で形になり始めている。災害という事柄があると、復興とうい2文字が出てきて、安易に使われ、何かが隠されているように感じていた。それが、少しだけだが、整理されたように思う。生きるではなく、生かされてというのも、最近読んだ本とシンクロするように思う。なぜ、そんなシンクロする本を続けて読むのだろうと考えるし、そんなことが増えてきたようにも思う。2023/04/02
なずな
1
赤坂さんの本を読むのは、『異人論序説』、『性食考』、『武蔵野をよむ』に続いて4冊目です。先に挙げた三冊と比べて、この『災間に生かされて』は、文章の構成がかっちりとはしていません。それは「あとがき」に書かれているように、語りの形式がとられているからです。p16に登場する経済界のリーダーたちのように、数字の出てこない学問を「ポエム」と揶揄するような人々への静かな抵抗として選ばれたスタイルではないか、とも感じます。読む側としても、夜の能舞台に経つ著者の姿をなんとなく思い描きながら読みました。2023/03/04