内容説明
リーマンショック、ユーロ危機、アベノミクス、消費増税から、コロナ禍の経済状況まで。この20年間の論説をまとめた経済論集。
目次
第1章 経済のトリセツその1(援助屋の悩み:経済ってどうすりゃ発展すんの?;発展の可能性があるベトナムと停滞する日本 ほか)
第2章 クルーグマンとかケインズの話(クルーグマンが教えてくれる経済学の驚き;クルーグマンのノーベル賞と調整インフレ ほか)
第3章 リフレをめぐる個人史、ときどきピケティの話(リフレーション政策の個人史と展望;経済ジャーナリズム:二〇一四年への展望 ほか)
第4章 経済のトリセツその2(戦争反対は理念より実利から;IMF、自らの処方箋を味わう ほか)
著者等紹介
山形浩生[ヤマガタヒロオ]
評論家、翻訳家。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻修士課程およびMIT不動産センター修士課程修了。開発援助関連調査のかたわら、小説、経済、建築からネット文化まで、広範な分野での翻訳と執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さきん
28
著者の著作や訳本は何冊か読んで、経済弱者へ寄りそう、建設的な提案に魅力を感じていたが、元々のお仕事が発展途上国での支援をおこなう仕事ということで合点がいった。生産性が高まる状態になるには、財やサービスを高く評価して買ってくれる需要が必要だと実感。日本の場合は長年それが自動車や電機産業に代表される製造業だった。それも今や相対的に弱くなり、代わる産業も中々見つからない。サービス業は得た利益をぐるぐるまわす効果があるが、富が貯蔵されていると、流れの総量が減り、偏りが起きてしまう。2021/09/27
まゆまゆ
13
リーマンショック前後から最近までの経済コラムをまとめた内容。マクロ経済の理論だけで経済がまわっているわけではなく、かと言ってミクロ経済だけではない視点のあり方、といった感じかな。続けて読んでいくとやはり小馬鹿にしたような印象はぬぐえない……2021/09/22
なななな
9
個人的には、ナルホドがいっぱいありました。自分の頭が固くなっていることに反省、アベノミクスも見直しました。やはり勉強は大切ですね。2023/09/25
駒場
6
翻訳書を買うと3割くらいの確率で名前が載ってる(体感)、1日何時間あるの?でお馴染み山形おじさんの経済エッセイ。リフレ派であり、クルーグマン信者であり、成長論者の日本の大卒おじさんの居酒屋経済談義で「あ〜はいはい」というところが半分、残りの半分はリーマンショックと緊縮財政を経たケインジアンの復活やクルーグマンの考え方の概説などを軽〜い感じで書いてるので、居酒屋経済談義したい人には結構いい本かもしれない2021/11/03
やす
5
経済学者/経済評論家?のエッセイ集であることを心して読めば、おもしろいと思う。経済についての入門書だと思って読み始めるとあまりにも砕けてて、ある種独善的な言い回しに戸惑う。 ●クルーグマンは正しかった ●ピケティは正しいところもまちがっているところも ●自分は優れた翻訳者である2021/12/01