内容説明
僕らはいい加減、都合のいい妄想から目を覚まさなければならない。圧倒的な非対称を生きる僕らは、どうしてその事実に気づけないのか。真に女性と、他者とつながるために、乗り越えねばならない「男性性」の正体とは何か。
目次
1章 どのようにあたかも自然と男は男になってきたのか(電車での出来事;男の絆、女たちの沈黙 ほか)
2章 恐怖と勇気が与え、奪い去ったもの(男は一家の大黒柱;勇気とは何か ほか)
3章 切断の恐怖と悲しみと痛み(父の抑圧;力をどのように育ててきたのか ほか)
4章 猥談とノリ(思春期男子の「エロ」;本能と妄想 ほか)
5章 男性性と女性性(「感じる」を軽んじる;被害者意識と「ジャッジ」 ほか)
著者等紹介
尹雄大[ユンウンデ]
1970年神戸市生まれ。インタビュアー&ライター。政財界人やアスリート、アーティストなど約1000人に取材し、その経験と様々な武術を稽古した体験をもとに身体論を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
43
男性著者による、個人的な体験談をふんだんに取り入れながら「日本の男社会」を考察している一冊です。常にマウントを取り続け勝ち続けないといけない人たちの集団に所属している人たちのことととらえました。多くの場合、彼らは権力や良い体格を持つ男性であり、そうでない弱いものを威圧しています。その構図は世界的にも一緒です。…今日、アメリカでトランスジェンダーとして生きる子とラインをしながら、DCの飛行機事故を「DEI推進が背景」と言った大統領にため息をつきました。そんなにアンタがえらいの?正しいの?2025/02/01
yutaro13
37
文章は平易なのに読みにくい。それは著者が脈絡なく話を展開していて論理的ではないから、と思ってしまうのは、要するに私が論理性を重んじる男社会に無意識に囚われているからなのか。著者いわく、まとまらない話は散漫ではなく「わかりやすい解釈を通じて話すことができない」ことを意味しているのだ。読書会での発言で顰蹙を買ってしまった男性のエピソードは人ごとではないかもしれない。男社会の中で女性は抑圧されてきたが、男性もまた自身の弱さを抑圧することを強いられてきた。まずは内なる他者である自身と対話することのススメ。2021/05/10
katoyann
26
著者が自分の半生を振り返りながら内省的に自らの男性性を問うというスタイルのエッセイになっている。力で他者を支配するような男性性から卒業し、また理性ではなく自分の感情を大切にしようという主旨は分かる。理性的であるべしという男性性が女性に対する抑圧になると同時に男性自身にとっても痛みに対する鈍感さや弱音を吐けないといった抑圧につながるだろうから。ただ、根拠が分かりにくい話も散見される。ナオミ・ウルフの文献をヒントに男性の性の貧困を説いたところは良かったので、何を根拠にしているか明示する書き方にすべきだと思う。2021/03/21
UNI/るるるるん
21
「男社会」というけれど私も特に若い時期の職場で「男社会」仕草を得ていたことに気づいて苦しみながら読んだ。勤め人である夫の話を聞いても、この本とつながる。また、性器の呼称についても、語りたくなることが多かった。男にさよならと言っているのではない。現状の自分が否定されるような社会にみんなでさよならしようと言っている。そう理解した。2021/02/13
大塚みなみ
14
見えない男社会の怖ろしさ。森喜朗氏の発言には悪気がなかったからこそ、問題の根が深い。本書で紹介されている読書会で発言が顰蹙を買った男性も、同じ種類の罠にハマっている。この社会の男性優位のあり方に意識が届いていない。いやはや。どこから手を付ければいいのやら。手っ取り早い処方箋を求めて本書を読み進めても、そんなものは用意されていない。自分で感じて、自分で背負わなくてはならない。けっして読みやすい文章ではないが、テーマがあまりにも切実だったので、最後まで一気に読んでしまった。2021/04/16