内容説明
歴史は「私たちの進路」を、もう照らさない。虚心に過去を省みれば、よりよい政治や外国との関係を築けるはず―そうした「幻想」はどのように壊れていったか。東京五輪や三島事件まで遡り、安倍長期政権やトランプ登場をもたらした「もう歴史に学ばない社会」の形成をたどる。
目次
1 日本史を語りなおす 史論(書き直される日本中世史―義経・後醍醐・信長の実像 呉座勇一+與那覇潤;儒学者たちの明治維新―ひっくり返った江戸の「スクールカースト」 河野有理+與那覇潤;すべては「崩壊」から始まった―日本人の「美と国民性」の源流 福嶋亮大+與那覇潤;歴史学に何が可能か―「中国化」と「江湖」の交点 東島誠+與那覇潤)
2 眼前の潮流をよむ 時評(二〇一二年は“政治”の年だった!?―書棚の民主主義論 仲正昌樹+與那覇潤;橋下徹 淋しき「戦後民主主義」の自画像;日本政治の「中国化」―揺らぐ議会制民主主義;解釈改憲と「戦後」の終わり―『美しい国へ』と『日本改造計画』 宇野常寛+與那覇潤;補助輪付きだった戦後民主主義―ヤンキーと国家 斎藤環+與那覇潤)
3 現代の原点をさがして 戦後再訪(一九六八年からの置手紙―篠原一『日本の政治風土』;交錯する南北朝史―網野善彦と山本七平;一九七〇年代試論―「遅れてきた戦中派」の登場;ふたつの「中国化論」―江藤淳と山本七平;戦中派の退場)
4 歴史がおわったあとに 現在(歴史学者廃業記―歴史喪失の時代;偶然性と代理―歴史の不在を生きる技法とは;歴史なき世界のはじまり―凡庸な独裁者たちの肖像)
著者等紹介
與那覇潤[ヨナハジュン]
1979年生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。専門は日本近現代史。2007年から15年にかけて地方公立大学准教授として教鞭をとり、重度のうつによる休職をへて17年離職。2018年に病気の体験を踏まえて現代の反知性主義に新たな光をあてた『知性は死なない』(文藝春秋)を発表し、執筆活動を再開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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