内容説明
永井荷風の名随筆『日和下駄』に登場する東京の町をいま歩いてみる。往時を偲ばせるもの、すっかり変わってしまったもの。見慣れた風景に過去が二重写しになり、読んで出かければ豊かな町歩きになること請け合い。
目次
街並みをバリカンで刈りとる
尾根道と谷道が繰り返す―本郷通り、白山通り、春日通り、靖国通り、新宿通り
散歩の味わいは坂にあり―小日向鷺坂、四谷暗闇坂、中目黒別所坂、赤坂薬研坂
崖を探そう―飛鳥山、道潅山、麻布十番
ガケベリ散歩―上野~日暮里~田端~上中里~王子
思いのほか樹が多い―内藤新宿の屋敷町、信濃町の養蜂場
川を遡る、川を下る―日本橋川、渋谷川、古川
七つの丘を越えて―江戸川橋~小日向~小石川~白山~駒込~本郷~田端
ある池の謎をめぐって―四谷荒木町
荷風の散歩道―余丁町から四谷の谷へ
淫祠は呼んでいる―鮫河せきとめ神、中目黒の庚申塔、新富士跡
閑地と地面師―余下町、曙橋、市ヶ谷監獄署跡
誘惑する路地―四谷若葉、芝高輪、三田
ふいに現れる寺―小石川伝通院、沢庵司稲荷
夕陽の魔術―大久保西向天神社、中目黒の尾根道
荷風と結婚―散歩に出たくなるわけ
著者等紹介
大竹昭子[オオタケアキコ]
1950年東京生まれ。小説、エッセイ、批評など、ジャンルを横断して執筆。朗読イベント「カタリココ」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みーまりぽん
11
元は2012年の「日和下駄とスニーカー」、2019年4月の情報に改めての改題再刊ということのやうです。原題の方が目指してる内容に合ってたのでは・・・ 永井荷風「日和下駄」におけるテーマ11項目「日和下駄」「淫祠」「樹」「地図」「寺」「水」「路地」「閑地」「崖」「坂」「夕陽」に沿っての散策です。荷風の暮らした余丁町から四谷あたりが多めな気がした当たり前か。 多摩地方で6年強生活したけど、都心に出るのは稀だったため土地勘が無く、散歩中の目線などは面白く読んだものの、どこをどう歩いてるのかはサッパリであった..2021/10/18
アリーマ
8
永井荷風の『日和下駄』に擬えて、東京の街を散策する紀行。谷と丘の高低や水路をなぞっていく著者の視点が、普段見ている角度と違う。東京の姿がまた違って見えるので面白く、読み応えがあった。こういう世界はマニアがいるので、そういう視点からは物足りない向きもあるらしいが。もう少し詳しい地図や、全域図が付くともっと良かったかな、と。★★★★2019/08/23
suchmo
4
散歩は楽し2022/01/24
ぐんまくん。
1
永井荷風の随筆「日和下駄」をもとに、町を歩いてみるというもの。 当時に思いを馳せると、歩くのがより楽しくなる。2022/03/18
kaz
1
「東京凸凹散歩」というタイトルから「ブラタモリ」のような内容を期待したが、むしろサブタイトルの「荷風にならって」の方が内容をよく表している。「永井荷風の名随筆『日和下駄』に登場する東京の町をいま歩いてみる」ということのようだ。興味のある所だけを飛ばし読みしたが、それなりに面白い。学習院初等科の裏あたりが、江戸から明治にかけての「東京三大貧民窟」でも最も密集度の高いスラムだったとは衝撃的。 2020/04/14