「新自由主義」の妖怪―資本主義史論の試み

個数:
電子版価格
¥2,420
  • 電子版あり

「新自由主義」の妖怪―資本主義史論の試み

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年12月07日 10時26分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 361p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750515472
  • NDC分類 331.2
  • Cコード C0030

出版社内容情報

「新自由主義」という、摩訶不思議な怪物の正体とは?

――1匹の妖怪が世界を徘徊している、「新自由主義」という名の妖怪が



あるときはグローバル資本主義の先兵、またあるときは自由放任主義と格差拡大の犯人……だが、その実体は?



見るものによってその姿を変える「新自由主義」と呼ばれるイデオロギーの正体を、ケインズ経済学/新古典派経済学/マルクス主義経済学の歴史と、戦後日本の経済思想史を丁寧にひもときながら突き止める!



「私自身としては、「新自由主義(Neo Liberalism)」という言葉を使うことにためらいがありました。どういうことかというと、この言葉多分に実体がない――具体的にまとまったある理論とかイデオロギーとか、特定の政治的・道徳的立場を指す言葉というよりは、せいぜいある種の「気分」を指すもの、せいぜいのところ批判者が自分の気に入らないものにつける「レッテル」であって「ブロッケンのお化け」以上のものではないのではないか、という疑いがどうしても抜けなかったからです」(本書より)

第1章 マルクス主義の亡霊

 「新自由主義」は社会主義前夜なのか?

 資本主義に「外部」は必要なのか?

 国家独占資本主義としての福祉国家の危機?

第2章 ケインズ復興から見えるもう一つの経済史

 ケインズ主義とは何か

 発展段階論を超えて、経済史理解の転換へ

第3章 「保守本流」思想としての産業社会論

 戦後保守主義と社会民主主義の屋台骨としての産業社会論

 村上泰亮の蹉跌

 産業社会論の衰退とその盲点

 保守主義思想の屋台骨の喪失と「新自由主義」の台頭

第4章 冷戦崩壊後の世界秩序と「新自由主義」という妖怪

 冷戦崩壊後の世界秩序

 空白の中の「新自由主義」

エピローグ 対立の地平の外に出る

稲葉 振一郎[イナバ シンイチロウ]
著・文・その他

内容説明

あるときはグローバル資本主義の先兵、またあるときは自由放任主義と格差拡大の犯人…だが、その実体は?見るものによってその姿を変える「新自由主義」と呼ばれるイデオロギーの正体を、ケインズ経済学/新古典派経済学/マルクス主義経済学の歴史と、戦後日本の経済思想史を丁寧にひもときながら突き止める。

目次

第1章 マルクス主義の亡霊
第2章 ケインズ復興から見えるもう一つの経済史
第3章 「保守本流」思想としての産業社会論
第4章 冷戦崩壊後の世界秩序と「新自由主義」という妖怪
エピローグ 対立の地平の外に出る
付論 現代日本の政策論議

著者等紹介

稲葉振一郎[イナバシンイチロウ]
1963年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院経済研究科博士課程単位取得退学。岡山大学経済学部助教授を経て、明治学院大学社会学部教授。専門は、社会哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mealla0v0

7
本書は、新自由主義とは、それを批判するものが認識しているような体系だったイデオロギーではなく、冷戦以後にマルクス主義者たちが自らの延命のために生み出した「敵」の幻影にすぎないとする。実際それはそうだろう、雑多な実践の束でしかないのだから。個人的な関心は、産業社会論と村上泰亮の評価。日本特殊論を否定して、社会科学的な用語によって、日本の近代化を正当化する言説であったと指摘。開発主義は近代化を産業政策によって推進する限りで意味があるとした。最後のケインズとマネタリズムの関係も興味深いが、独特の文体が……2023/05/13

田中峰和

4
社会主義体制が次々崩壊した後、マルクス主義は現実味を失った。資本主義から社会主義への発展段階論が否定されれば、そのあとはどうなるのか。レーガンやサッチャーが推進した新自由主義が社会主義を葬ったような印象だが、新自由主義にはイデオロギーなど存在しない。実際、新自由主義の盟主とされるフリードマンやハイエクに主義とされるほどのまとまりはない。70年代、政府介入による不況対策を推進したケインズ経済学はインフレと財政赤字の副作用を生むと批判されたが、リーマンショックで新自由主義批判に転じ、ケインズは復活したようだ。2018/10/23

ゆえじん

3
新自由主義批判はかたちを変えた資本主義批判でしかない.というのがざっくりとしたまとめだろう.リベラルの批判する新自由主義なるものが、胡散臭いというか、経済学上にうまく位置付けられないというのは前から思っていたが、稲葉振一郎氏は、丁寧に分析・解体して適切な理解を促している.新自由主義は体系的なイデオロギーとはならず、表層的な政策のリストにしかならない.というのはフリードマンの『資本主義と自由』を読めばわかる.政府がやる必要のないことを取り出しては根拠づけを与えていくことが、新自由主義の仕事ということか.2019/01/30

A

2
新自由主義は、冷戦終了後の産業社会論没落によりマルクス主義者が作り出した新たな敵であり、体系的な思想ではない。それはいわば実態のない妖怪のような存在である。2020/08/20

chiro

2
経済学、政治学、社会学に通暁している著者が「新自由主義」とは一体何なのか?をマルクス主義からの歴史を通じて解明してみせている著作。資本主義と社会主義という対立が失われて以降資本主義に代わる理念として表された新自由主義であるが実体は希薄で突き詰めると様々な矛盾に突き当る。それを解きほぐしながら経済学という分野だけではこの動きを解明することは難しいとして政治学、社会学の見地から解きほぐしていく手法は実学としての耐性も備えておりわかりやすい内容であった。2018/09/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13052491
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。