• ポイントキャンペーン

森の探偵―無人カメラがとらえた日本の自然

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750515007
  • NDC分類 402.91
  • Cコード C0045

内容説明

オリジナルの撮影システムを駆使し、野生動物たちの素顔を撮り続けてきた写真家が明かす、撮影の秘密と森の歩き方。手掛かりを読み解き、カメラを仕掛け…森の中で撮影された、“決定的瞬間”の数々!野生動物たちの事件簿。

目次

第1章 動物たちの痕跡(けもの道の見つけ方;フクロウの棲む谷;動物たちの住宅事情)
第2章 生と死のエコロジー(自然界のサプリメント;スカベンジャーたち;死の終わり)
第3章 文明の力、自然の力(被災地の動物たち;外来種と在来種)
第4章 人間の傍で(シナントロープたちの事件簿;人間の同伴者)
終章 森と動物と日本人

著者等紹介

宮崎学[ミヤザキマナブ]
写真家。1949年長野県生まれ。精密機械会社勤務を経て、1972年写真家として独立。自然と人間をテーマに、社会的視点に立った「自然界の報道写真家」として活動中。1990年『フクロウ』で第9回土門拳賞、1995年『死』で日本写真協会賞年度賞、同書と『アニマル黙示録』で講談社出版文化賞受賞

小原真史[コハラマサシ]
キュレーター・映像作家。1978年愛知県生まれ。IZU PHOTO MUSEUM研究員。監督作品に「カメラになった男―写真家中平卓馬」がある。2004年第10回重森弘淹写真評論賞、2016年日本写真協会賞学芸賞を受賞。東京藝術大学・東京工芸大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

104
半世紀以上に渡り森の中の動物を無人カメラで撮影してきた宮崎学と、キュレーターの小原真史が対話することで、日本の自然を動物側から捉える見方が新鮮に映る。数多くの野生の動物の姿は、人間社会の変化による森の変化に学び、したたかに生きている事実を伝えている。動物の死体の定点観測、被災地での野生動物の姿、東京都心での外来種の鳥の群れ、都心のゴミ袋をあさるアライグマ、農家の墓のお供え物泥棒をするツキノワグマなど。人間が活動をする場所はすべて動物への餌付けであり、それに人間側が気づかないだけであることがよくわかった。2021/10/21

goro@一箱古本市5/5

59
動物たちにとっては境界など存在しない。人が勝手に決めているだけだと宮崎学氏の写真を見て思う。無人撮影で写された森の生き物の姿は驚くばかり。私たちのすぐ近くまで彼らはやって来るんだね。そして死んだ姿をなぜ見ることがないのか、彼らの死は死じゃなくて巡る輪の点でしかないんだろうなぁ。あっという間に灰になるよりは彼らに食されて土に戻るのも良いんじゃないかとも思った。そんな事を考えさせられた本です。2020/01/14

seacalf

42
無人カメラに写し出された漆黒の闇に浮かび上がる野生動物の姿はインパクト大。驚くのは見事な写真の数々だけではない。話がとにかく広範囲に渡ること。知られざるクマの習性、フクロウの撮影の為のネズミの飼育繁殖、送りオオカミ、全国的なシカの激増と凍結防止剤の関係、糞盆栽、九相図、被災地でのリワイルディング、房総半島のキョン、鎌倉のタイワンリスなど爆発的に増えた外来種、ロッキー山脈のコンクリゴミ箱、軍用犬等々。博識なインタビュワー小原氏の影響で壮大なる四方山話が繰り広げられる。未知なる視点や意外な話が多く楽しかった。2017/11/13

アナクマ

26
自動撮影のパイオニア/動物写真家である著者が、豊富な現場体験をもとに、日本の野生動物と人の関係を縦横に語る対話モノ。著作の中でも文字数が多め。聞き手である小原の見識もまた広く、うまく経験談を引き出していると思います。◉話題はいかにも四方山的・居酒屋的ですが、これほど複眼的かつ「俺はこう見る」な語りはめっぽう面白い。結句「無人カメラは、樹木の視点を借りている…人間や経済の物差しだけでなく自然の物差しを視野に入れた文化や生き方を構築していく必要がある」長いスパンの定点観測、これ、全人類に必要だと思うのです。2021/09/30

tom

18
敬愛している宮崎学さんが、自分の仕事場を公開する本。さんざん苦労して無人カメラを設置(世間の写真家からは、邪道だと非難されたらしい)。そして、カメラの前に現れる動物たちを撮影。普通に生活していたら、見ることができないシーンを切り取ってくれる。そのうえで、動物の生と死、ひいては生き物すべての生と死、生き様を目の前に現せることに。ひたすらお仕事を続けていたら、そこに哲学が現れるのだなあということが読後感。そして、この哲学が嫌らしくないのがすごい。2018/04/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12022122
  • ご注意事項

最近チェックした商品