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生きていく絵―アートが人を“癒す”とき

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  • サイズ B6判/ページ数 290p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750513300
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0095

出版社内容情報

絵を描くことで生きのびる。描かれた絵に生かされている。作品そのものと、作者の人生に向き合うことで見えてくる〈生〉の有り方は、誰にとっても無縁ではない。手垢のついていない〈癒し〉の可能性となる作品論。柴田元幸氏推薦。

第一章 〈癒し〉とあゆむ 安彦講平
第二章 〈病い〉をさらす 本木健
第三章 〈魂〉をふちどる 実月
第四章 〈祈り〉をちぎる 江中裕子
第五章 〈疼き〉をほりおこす 杉本たまえ

【著者紹介】
東京大学大学院人文社会系研究科付属次世代人文学開発センター特任研究員。専門は障害者文化論・日本
近現代文学。障害を持つ人たちの文学活動や社会運動の研究、および医療施設における自己表現活動の支
援に取り組んでいる。著書に『障害と文学̶̶「しののめ」から「青い芝の会」へ』(現代書館、2011年)、『隔離
の文学̶̶ハンセン病療養所の自己表現史』(書肆アルス、2011年)がある。

内容説明

精神科病院のなかにひらかれた“造形教室”に集う人々と、その作品。治療行為としてではなく、また、たんなる作品論としてでもなく、その人たちの軌跡と痕跡を見つめることは可能なのか。

目次

第1章 “癒し”とあゆむ―安彦講平
第2章 “病い”をさらす―本木健
第3章 “魂”をふちどる―実月
第4章 “祈り”をちぎる―江中裕子
第5章 “疼き”をほりおこす―杉本たまえ

著者等紹介

荒井裕樹[アライユウキ]
1980年、東京都生まれ。2009年、東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、明治学院大学社会学部付属研究所研究員を経て、東京大学大学院人文社会系研究科付属次世代人文学開発センター特任研究員。専門は障害者文化論・日本近現代文学。障害を持つ人たちの文学活動や社会運動の研究、および医療施設における自己表現活動の支援に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イボンヌ

9
丘の上病院(現在は平川病院に移動)における、精神障害を持つ患者が参加する造形教室での様子を、障害者文化論を研究する筆者が綴ったもの。 眼差しも言葉も温かい。2021/12/11

さえきかずひこ

7
繊細かつ粘り強い文体だが、読みやすくて驚いた。文学的知性の現代における最良の形のひとつではないだろうか。2014/07/26

冬将軍

5
「内に秘めた苦しみを誰かに伝えなければ生きていられない状態にある」人がいる。伝染病と同様に、ある意味で精神病にも全社会がひとつとなって関心を寄せる必要があると思った。健常者のつもりでいる自分も過酷な環境に置かれた時、病が発現するかもしれないのだ。アート展来館者で「自分の心のイメージ」が描けなかった40〜50代の背広姿の男性たちは「自己表現障害者」といえるかもしれない、という皮肉には一理ある。本書は〈造形教室〉主宰の安彦講平さんの紹介と、そこに通う4人の作品創り、癒やしの過程などがとても丁寧に書かれている。2024/10/25

ゆるこ

5
卒論を「表現の自由」というテーマで書きたいと思った動機は、「表現の自由っていう権利は、実は命に直結する権利なんだ」っていう自分の実感をなんとか「表現」したかったからだったんだ。それが成功したかどうかはともかく、私はあの卒論を書かざるを得なかった。そのことを思い出させてくれた。 「音楽教室」が、もしかしたら「生きていく音楽」の場になっていくかもしれないと、図々しくも「希待」して、「信じて」「祈り」つつ、続けていきたいと思った。読めて良かった。2022/01/29

水無月

5
芸術は苦しい時や悲しい時に生まれるもの、というのを何かで聞いた覚えがある。この本は精神病者のアート活動を追いつつ、その根幹にある自己表現の衝動や、そこから生み出される変化を辿っている。舞台となる〈造形教室〉で生まれるアート作品は、社会に何かを還元するわけでもなく、治療として行われているわけでもない。でも確実に当人達が生きるための力になっている。特別な事は何もなくて、病気でない人だって人と会話したり、歌ったり、本を読んだり、その感想を綴ったりと、ある意味で自己表現に助けられて生きているな、と感じました。2021/07/01

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