内容説明
信長、足利義満、清盛など、私たちがよく知っている歴史上の人物は、実際の歴史学の研究で明らかになっている実像とはかなりかけ離れている。たとえば清盛。悪役のイメージが強いが、宋との関係を再構築しようとする国際感覚のある人だった。清盛のイメージは鎌倉時代に作られ、勝者の視点を引きずったまま今日にいたっている。人物だけでなく、南北朝の意味、倭寇の存在、明治維新の背景など、歴史上の事柄はある時代の見方や考え方の影響を受け、常に更新されつづける。日本の歴史を東アジアのなかで見直し、歴史の見方そのものについて考えてみよう。
目次
1部 近代はいつからか(明治のリーダーたちの一般教養―儒教;日本と朝鮮半島の近代化はどう違う?;近現代史の描き方)
2部 三人の先駆者たち(南蛮貿易と織田信長;勘合貿易と足利義満;日宋貿易と平清盛)
3部 変わりうる歴史認識(なぜ南北朝があってはならなかったのか;南北朝時代の思想的背景;謙信・兼続と鎌倉)
著者等紹介
小島毅[コジマツヨシ]
1962年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、東京大学人文社会系研究科准教授。専門は中国思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。