内容説明
1958年、日本で産声をあげた彼女は、完璧なプロポーションにハイセンスなドレスをまとい、たちまち世界中の女の子の憧れになった。昭和の時代を背景に、“安かろう悪かろう”と言われた日本製品を世界基準に押し上げた「働く女」激動の一代記。
目次
1章 ジョンソンさんとの出会い
2章 入社テスト
3章 バービードレス開発物語
4章 全米デビュー
5章 バービー、世界へ
6章 人形一筋
7章 バービー五十周年
著者等紹介
宮塚文子[ミヤツカフミコ]
1932年生まれ。1957年、国際貿易に入社後、すぐにバービーのドレス担当となり、退社までドレス担当主任として従事する。1963年、人形服専門の縫製会社「宮塚縫製」を立ち上げ、リカちゃんなど着せ替え服製作の第一人者として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なにょう
23
すごい人たちだ。1959年に発売開始されたバービーは、日本で生産されたもの。生産開始当初。人形の服を作る?人形のスラリとした脚はどうやって作る?たかだか人形だろう?★宮塚さんも普通に服を作りたかったのに、ひょんなことからバービーのお洋服を作ることになった。チャンスは何処にあるかわからない。何でもやってみよう。やり出したら、17時までの勤務ののち、18時以降も残業して技術の習得に余念がなかったとか。やるなら徹底的にやろう。2017/09/05
きゅうり
7
バービー実写版映画を見て、この本にたどり着いた。バービーの製品化は一人の日本人女性である宮塚さんの情熱の結晶だったんだ。仕事に打ち込んだその頃の記憶はとても鮮明なんだろう。負けん気と責任感の強い宮塚さんと多くの日本の下請け業者さんが初期バービーを支えていた!映画は中途半端なフェミニズムでお茶を濁した印象だったが、とても良い本を読むことができたので良しとしよう。2023/09/04
no6
4
バービーって100%アメリカでデザインされたものだとばかり思っていたのに、こんな風に日本の帝国ホテルの1室で、日本人の女性も一緒に作っていたと知って驚きました。 ところどころ日本人や日本企業に対する毒がチクッとあるのがなんか人間味があってよかったりします。2011/07/23
riko_21
4
初回ざっと読み完了。朝日新聞HPの書評で知り、本屋で見て、表紙のバービーの可愛らしさ、装丁(というか触り心地)、本文の読みやすさで購入。人形服を作る話としても勿論、当時の女性の職場環境や日本の様子を知るという意味でも十分楽しめる本だと思った。宮塚さんは「これは自分がやった」「自分だけだった」など、自己主張がはっきりしていて、こういう彼女だからこそやれたんだろうなあと思う。バービーも宮塚さんと出会えたのは幸運だったろう。ところで、NHKの朝の連続テレビ小説向きではないかと思うのだがどうだろうか。2011/06/06
midnightbluesky
3
バービーへの熱意というか女の一代記に近い。2012/05/19