内容説明
06年10月2日、銃乱射で女生徒5人死亡、5人重傷。年長の少女は「私を撃って」と名乗り出た。しかもコミュニティはすぐに犯人とその家族を赦した。称賛と同時にさまざまな論議を呼んだ衝撃の事件の全貌を記す。
目次
ニッケル・マインズのアーミッシュ
乱射事件
余波
驚き
反響
赦しの慣習
赦しのルーツ
赦しの精神
赦しの実践
ニッケル・マインズの赦し
シャニング(忌避)への疑問
悲嘆、神の摂理、そして正義
アーミッシュ・グレイスと我々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デビっちん
32
車や機械といった現代社会から離れ、イエスの教えに従って静かに生きる人々の集落で突如として発生した凄惨な銃乱射事件に対し、我が子を殺されたアーミッシュの親たちは、その犯人をすぐさま赦しました。赦すだけでなく、自殺した犯人の葬儀にも参加し、その犯人の家族に同情し、支援までしたのです。赦すことで生じた事象を忘れることができ、自分自身も赦されます。そんなアーミッシュの価値観と行動の背景について丹念綴られていました。現代社会、赦せないことが多くなりすぎ、より多くのことを失っていませんか?2016/10/02
なるみ(旧Narumi)
24
NHKあさイチの特選エンタのコーナーで紹介されていて読んでみました。が、内容が難しくあえなく流し読みで終了でした。2022/06/10
デビっちん
21
再読。自分の子どもが同じように殺されたらと思うと、赦せる自信は今のところありません。しかし、赦そうというベクトルを意識し、どうすれば赦せるようになるかを問として持ち続けたいと思いました。そうできるようになれば、普段の生活でネガティブになるようになることはなくなるはずなのですから。2019/04/04
デビっちん
17
再読。赦すことで、ネガティブなイベントをポジティブなものに昇華できるのですが、これは言葉では簡単なのに行動にすると大変難しいです。赦すことに失敗したと気づいたら、再読して意識を改めるようにします。2019/04/24
だろうぇい
17
アーミッシュの赦しは事件以上に米国社会に衝撃を与えた。インタビューでアーミッシュが述べているように、彼らの赦しはキリスト教の赦しそのものだと感じたので、始めこの〈衝撃〉に違和感があった。米国社会の〈衝撃〉と私の違和感の一部は、赦しの集合性に関わるものだと思う。著者はアーミッシュの赦しの背景として、コミュニティへの服従を説く生活様式があると指摘している。その価値観の一部は、読者と想定されている個人主義的な米国の価値観より、良くも悪くもかつて学校で体験したものと共通性があり、不思議な感覚で読み終えた。2018/05/14