内容説明
安全保障とは、主に国家間の軍事的脅威に対処することを意味した。しかしここ10数年、脅威の対象を拡げ、国家破綻やサイバー・テロ、さらには環境破壊や過度の輸出攻勢までも安全保障の対象に取り込む動きが台頭してきた。これに加え、9.11以降は国際テロリズムと大量破壊兵器の拡散問題が注目を集めている。安全保障概念の歴史を辿り、各課題を俎上に載せ、新たに第7章「現代テロリズムと大量破壊兵器」を加え、新思潮の是非を検証。全面改訂で「いちばん新しい安全保障論」を提示した。
目次
第1章 安全保障概念の歴史的再検討
第2章 「新しい安全保障」の総体的分析
第3章 人間の安全保障―主権国家システムの変容とガバナンス
第4章 環境安全保障―拡散する概念
第5章 経済安全保障―ゼロサム・ゲーム思考の限界と弊害
第6章 情報安全保障―IT革命と脅威の政治学
第7章 現代テロリズムと大量破壊兵器
著者等紹介
赤根谷達雄[アカネヤタツオ]
筑波大学人文社会科学研究科教授。研究テーマは、核兵器不拡散体制、対人地雷禁止レジーム、化学兵器禁止条約などの比較研究
落合浩太郎[オチアイコウタロウ]
東京工科大学コンピュータサイエンス学部助教授。研究テーマは、インテリジェンス(謀報)、経済制裁
中西寛[ナカニシヒロシ]
京都大学公共政策大学院教授。研究テーマは、国際政治思想、日本の安全保障政策
栗栖薫子[クルスカオル]
大阪大学大学院国際公共政策研究科助教授。研究テーマは、国際制度論、人間の安全保障
中沢力[ナカザワツトム]
東海大学教養学部国際学科非常勤講師、放送大学教養学部非常勤講師。研究テーマは、国際政治経済学、グローバリゼーション論、情報通信技術(IT)革命下の国際関係(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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