合本 公害原論 (新装版)

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合本 公害原論 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750506180
  • NDC分類 519.04
  • Cコード C0036

出版社内容情報

水俣病の公式確認から50年――“環境問題”の原点がいま再び「新装版」となって登場!
1971年の初版刊行以来、版を重ねてきた名著がついに復刊! それまで企業寄りの技術論に終始していた風潮に警鐘を鳴らし、「公害」の社会的意味を初めて問い、現在の環境学の礎となった記念碑的作品。1970年10月から東大で始まった夜間自主講座の13回分を収載。

1. 一般的状況
2. 水俣病
3. 足尾鉱毒事件
4. 大正期における公害問題
5. 昭和期の公害問題
6. 技術的対策
7. FAOローマ海洋汚染会議報告
8. ヨーロッパの公害
9. 運動論・組織論

作家 柳田邦男氏推薦!
人間と社会を見るにあたって、いちばん大事なことは、「事象の重大性に気づく感性」であり、「本質を見抜く考える力」であり、「全容をとらえる思考の枠組み」である。本書は、戦後公害の原点である水俣病を出発点にして、国内と世界の重要な公害・環境破壊の具体的事件を語りつつ、同時にそれらに内在する本質的問題を解き明かしていく。国家権力の僕に堕した学問の洗脳の場である東京大学で、権力に倚りかからず、立身出世にも企業の利潤追求にも役立たない本質をとらえる学問を、時代状況と呼応させつつ“自主講座”という方法で、学生や研究者や一般市民に語り続けたこの分厚い記録は、30年以上経った今も、宇井氏の肉声が聞こえるような新鮮な響きを持っている。そこには、歳月を超えて普遍性のある、事象の本質をとらえる「感性」と「考える力」と「思考の枠組み」が語られているからだ。

内容説明

1971年の初版刊行以来、版を重ね続けてきた名著がついに復刊!それまで企業寄りの技術論に終始していた風潮に警鐘を鳴らし、「公害」の社会的意味を初めて問い、現在の環境学の礎となった記念碑的作品。

目次

1 一般的状況
2 水俣病
3 足尾鉱毒事件
4 大正期における公害問題
5 昭和期の公害問題
6 技術的対策
7 FAOローマ海洋汚染会議報告
8 ヨーロッパの公害
9 運動論・組織論―一学期のまとめ

著者等紹介

宇井純[ウイジュン]
1932年東京生まれ。56年、東京大学工学部卒業後、日本ゼオン(株)に3年間勤務。65年、東京大学工学部都市工学科助手。70年、公害の研究・調査結果を市民に直接伝える場として自主講座「公害原論」を開講する。以後15年にわたって環境問題の市民学習運動を組織し、市民の手による公害監視運動、被害者救済・支援活動に携わるなど、全国の公害反対運動に対するサービス・情報ネットワークを築いた。86年、沖縄大学教授、88年、同大学地域研究所初代研究所長に就任。03年、沖縄大学を退職、同大学名誉教授。2006年11月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すしな

31
145-22.1970年代に東大で非公認で行われた講義の記録です。足尾銅山から水俣病、イタイイタイ病など教科書で習う公害病の実情が語られるわけですけど、そのまま今のコロナ事情に通じるところも多かったです。紹介された殆どのケースで、産学官が結託して、問題の根本原因を揉みつぶそうと暗躍してました。それでも、企業は利潤の追求を行う組織ですから、公害が出てしまうこともあるかと思いますが、それを国や学会がきちんと検証せず、被害者は僅かな補償で泣き寝入りさせられるので、国や学者を信用しすぎるのもどうかなと思いました。2022/10/22

デビっちん

17
複雑に絡み合った公害問題の全容とその本質をとてもわかりやすく説明している本です。1章が約300ページで3章からなる分厚い本ですが、どんどん読むことができました。今日、目に見える公害は減ったように見えています。しかし、現代の企業や役所、研究機関、住民の関係性などは、公害発生時の考え方と何ら変わっていないような印象を受けました。公害問題に比べたら、今自分が複雑だなと思っている問題なんてたかがしれています。一通り読み終わってから見た本書の帯が秀逸であることに気づき、いつかこんな文章を書いてみたいと思いました。2016/09/22

しょむ研(水野松太朗)†選挙マニア!?

11
環境科学、公害研究の古典中の古典。現代にも通ずる必読書。2016/04/16

更紗蝦

3
おそらく、公害について、これほど分かりやすく、かつ、包括的に説明している本は、他にないのではないでしょうか。出版されて40年経っているのに、内容が全く古びていないことに、ただただ驚愕です。(つまり、日本は40年間、全く進歩していないということです。) ほんの少しだけですが、終盤で、電力会社の欺瞞に対する批判や原発を推進することへの憂慮が述べられています。過去の公害の事例を知れば知るほど、原発事故が発生したことも、放射能汚染の対処が滅茶苦茶であることも、必然であったと思えてきます。2013/01/30

dexter4620

1
大正から昭和の公害について臨場感を持って知ることのできる良書。世界でも公害はこの頃から話題となり、その最前線にいらっしゃった宇井先生の講義録となっている。骨太だが読みやすく構成されており、何より生々しい公害の歴史が理解できる。2021/12/26

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