出版社内容情報
私の決断は果たして正しかったのだろうか?
売血の体験取材からC型肝炎にかかり、肝硬変から末期がんへと進んだ著者は、妻の臓器提供を受け入れる。
脳死移植が進まない現状でどんな選択がありえたのか。当事者の揺れる思いとジャーナリストの冷静な目で臓器移植の問題点を鮮明にする渾身のルポ。
●「いいじゃない、やっちゃおうよ。私の肝臓、あげるわ」
生体肝移植――余命幾ばくもない肝臓病患者が劇的に回復するという点で画期的であり、患者と臓器提供者の絆の強さによって初めて成り立つ特殊な治療法。89年に実施されて以来、生体肝移植を希望する患者は後をたたない。
自らの体にガンが見つかり、進行の早さゆえ、あたふたと夫人から肝臓をもらう生体肝手術を受けることとなった著者。家族関係にも影を落とす臓器提供の問題、ドナーに心身共に過大な負担を課す最先端の医療問題などを浮き彫りにし、医学の進歩に人間の倫理性が振り回される現実を描いた渾身のルポ。
プロローグ そもそもの原因――「売血の体験ルポ」から
千四百円の体験/「C型肝炎友の会」/ミイラ取りがミイラに/定年を前に妻から
1章
唯一の再生する臓器/インターフェロンをやった/食道静脈に瘤ができた
/モグラ叩きが始まった
2章 老後のない人生
人生の組み立て直し/ゴルフとの新たな出会い/水戸黄門の印籠/「老後」を疑似体験
3章 一転、移植に向かう
そんなに悪かったのか!/幕内教授を訪ねる/妻はドナーになれるのか/十人に一人の死
4章 あなたに会えてよかった
ドナーの重い負担/大学記者と女子大委員長/家族たちの思い
5章 手術前夜
ついに決断/一足早く横たわる妻/拭えない「あさましさ」/万一に備えて/そろいのパジャマで
6章 手術室12号
全身麻酔で「無」に/二百二十七人目の患者/出血を極力少なく/生湯葉をつなぐ/髪の毛より細い糸
7章 術後は念入りに
ICUでの再会/幻覚と激痛の中で/「袋お化け」が行く/チョコレートのかけら/入院生活も悪くない/えーっ、再手術!
8章 “倫理”が振り回される
増える移植希望/揺らぐドナー基準/進まない脳死移植
エピローグ 「私たち生ま
●「いいじゃない、やっちゃおうよ。私の肝臓、あげるわ」
生体肝移植――余命幾ばくもない肝臓病患者が劇的に回復するという点で画期的であり、患者と臓器提供者の絆の強さによって初めて成り立つ特殊な治療法。89年に実施されて以来、生体肝移植を希望する患者は後をたたない。
自らの体にガンが見つかり、進行の早さゆえ、あたふたと夫人から肝臓をもらう生体肝手術を受けることとなった著者。家族関係にも影を落とす臓器提供の問題、ドナーに心身共に過大な負担を課す最先端の医療問題などを浮き彫りにし、医学の進歩に人間の倫理性が振り回される現実を描く。
内容説明
売血の体験取材からC型肝炎にかかり、肝硬変から末期がんへ進んだ著者は、妻の臓器提供を受け入れる―脳死移植が進まない現状で、どんな選択がありえたのか。当事者の揺れる思いと、ジャーナリストの冷静な目で臓器移植の問題点を鮮明にする渾身のルポ。
目次
プロローグ そもそもの原因―「売血の体験ルポ」から
1章 最初は教科書通りの進行
2章 老後のない人生
3章 一転、移植に向かう
4章 あなたに会えてよかった
5章 手術前夜
6章 手術室12号
7章 術後は念入りに
8章 “倫理”が振り回される
エピローグ 「私たち生まれ変わるのよ」
著者等紹介
植竹伸太郎[ウエタケシンタロウ]
1944年横浜生まれ。朝日新聞社会部で警視庁サブキャップ、デスクなどを担当し、横浜支局長、総合研究センター副所長などを歴任。2004年4月定年退職
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