出版社内容情報
行き詰まった外国人技能実習制度から特定技能制度へと移行する歴史的経緯と産業構造の変化を検証する。制度を利用して働く外国人や地域の実態を農漁業・縫製業・製造業・建設業・観光業・介護サービス等、業種別に捉える論考を収録し、多方面から制度を照射する。
目次
第1部 特定技能制度における歴史的経緯と産業構造の変化(外国人研修制度から育成就労制度に至る歴史的経緯―「現実との乖離」の絶えざる内包;日本の産業構造の変化と特定技能制度)
第2部 特定技能における受け入れ業界と地域の現在(農業―長期志向になりにくい外国人雇用;漁業―漁船を占めるインドネシア人、養殖に増えるベトナム人;工業製品製造業―自社養成主義を中心に特定技能者を育成;縫製業―5年遅れの追加決定と事業者の声;建設業―業界特有の制度運営と経路の複雑化;宿泊業―「特定技能」による外国人労働者の雇用はなぜ進まないのか;介護業―外国人介護人材受け入れの多層構造と特定技能制度の再評価)
第3部 特定技能人材を「人間」としてみる(労働者としての権利擁護の立場から;家族をもち、共に暮らす権利を考える―リプロダクティブ・ジャスティスの視点から;特定技能制度と雇用許可制の比較)
著者等紹介
駒井洋[コマイヒロシ]
筑波大学名誉教授。移民政策学会元会長。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)
加藤丈太郎[カトウジョウタロウ]
明治学院大学社会学部社会福祉学科准教授。博士(学術)。専門は、移民研究、多文化共生論、移住と開発。移民支援NGO/NPOにおいて非正規移民に在留資格を求める活動に従事した後、研究の道に入る。現在は、日本/韓国とベトナムの間を移動する、ベトナム人の「移民の主体性」に着目した研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。