出版社内容情報
本書は、トランプ・バイデン両政権下のアメリカ社会を、映画を通して読み解くことを試みる。政治、経済、人種、移民、ジェンダーなど多岐にわたるテーマを対象に、カルチュラルスタディーズの視点から、映像文化に潜む社会構造や権力関係を分析。オバマ政権のリベラルな政策からトランプ政権の保守反動、そしてリベラルに揺り戻しが起きたバイデン政権まで、近年のアメリカが抱える分断と課題を考察した一冊。
目次
1 ポスト・グローバリゼーションの世界(悲劇は喜劇、あるいはすべてが喜劇『ジョーカー』;コロナ禍における孤独を描く『ソングバード』 ほか)
2 人種とジェンダーの多様性vs.抑圧的政策(本棚からのメッセージ『イコライザー2』;すべての野蛮人を根絶せよ『私はあなたのニグロではない』 ほか)
3 デモクラシーの危機(ポスト・トゥルースの時代の報道の正義とは?『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』;さらば現実の沙漠よ『マトリックス』四部作)
4 新たな潮流(ろう者の世界と聴者の世界をつなぐ架け橋『コーダ あいのうた』;オッペンハイマーと原爆の応答責任『オッペンハイマー』 ほか)