内容説明
変貌するエスニック都市空間の社会的・政治的ダイナミクスを描き出す。多文化主義国家カナダでも有数の移民街「リトルポルトガル」。近年、この街区に重大な影響を与えているジェントリフィケーションと都市政策ＢＩＡに焦点を当て、ダイナミックな都市変容過程におけるローカル政治の構造と力学を明らかにする。１０年超に及ぶ精緻なフィールドワークの集大成。
目次
第１部 はじめに（本書の枠組みと目的；既往の研究；研究方法と分析の手順）
第２部 多文化都市トロントのポルトガル系移民街（多文化主義国家カナダと多文化都市トロント；世界とカナダのポルトガル系ディアスポラ）
第３部 移民街の発展・変容とエスニックコミュニティの空間的分散（リトルポルトガルの移民街としての発展段階；リトルポルトガルの脱ポルトガル化とポルトガル系コミュニティの空間的分散化）
第４部 私的政府ＢＩＡとジェントリフィケーション進展下のローカル政治（都市の街区政策ＢＩＡとその私的政府性；リトルポルトガルＢＩＡにおける主導権争いと社会関係；ジェントリフィケーション進展下のポルトガル系議員の選挙戦）
第５部 おわりに（移民一世の高齢化と老後の戦略的トランスナショナリズム；結び：多文化都市トロントのディレンマと移民街の揺動）
著者等紹介
〓橋昂輝［タカハシコウキ］
１９８８年東京都生まれ。博士（理学）。北海道大学大学院文学研究院・准教授（地域科学研究室）。専門は人文地理学（特に社会・文化地理学）。日本学術振興会・特別研究員（ＤＣ１）、香川大学経済学部・専任講師、同准教授、日本学術振興会・海外特別研究員、ヴィクトリア大学・客員研究員を経て、現職。近年、国内外のトップジャーナルに多数の論文を発表するほか、メディアへの寄稿、写真展の企画・監修など、幅広く活動している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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