内容説明
エビデンスに基づく教育から価値に基づく教育へ。エビデンスの蓄積を通じて教育を改善し、説明責任を果たしていくこと。新自由主義体制下の教育界を覆うこの「正統的」研究観は本当に「知的な」姿勢と言えるのか。デューイの伝統に連なる教育哲学者ガート・ビースタが、教育研究指南書が語ることの少ない教育研究の前提じたいをラディカルに問い直す。
目次
プロローグ 教育研究の正統的教義
第1章 理論、流行、そしてプラグマティズムの必要性
第2章 教育をよりよいものにすること
第3章 「何が役に立つか」では不十分だ
第4章 教育の実践
第5章 教育研究の様々な伝統
第6章 教育、測定、民主主義
第7章 知識を再考する
第8章 学術出版をめぐる政治経済学
エピローグ 研究が多すぎる?
著者等紹介
ガースタ,ガート[ガースタ,ガート] [Biesta,Gert]
必ずしもうまくいったとは言えない中高および大学時代を過ごしたのち、病院に勤務。そこでX線技師の教育に従事し、主に(応用)物理学を教えていた。社会人学生として大学に戻り、教育の理論と歴史の学位、および社会科学の哲学の学位を取得した。その後、博士課程ではジョン・デューイの研究に励み、1992年に修了。オランダで複数の大学に勤務したのち、1999年にイングランド、2007年にスコットランドに移った。当時スコットランド、ルクセンブルク、イングランドの三拠点で教育・研究に従事していた。現在はBritish Educational Research Journalの共同編集長、Educational Theoryの副編集長を務めている
亘理陽一[ワタリヨウイチ]
北海道大学大学院教育学研究科博士課程修了、博士(教育学)。静岡理工科大学、静岡大学を経て、中京大学国際学部教授。専門は、英語教育学・教育方法学
神吉宇一[カミヨシウイチ]
大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。海外産業人材育成協会(AOTS)、長崎外国語大学を経て、武蔵野大学グローバル学部教授。専門は、日本語教育学、言語教育政策。2021年日本語教育学会学会賞
川村拓也[カワムラタクヤ]
バーミンガム大学大学院MA Applied Linguistics修了。静岡聖光学院中学校・高等学校等を経て、北陸大学国際コミュニケーション学部国際コミュニケーション学科助教。専門は、英語教育、教師教育
南浦涼介[ミナミウラリョウスケ]
広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了、博士(教育学)。山口大学、東京学芸大学を経て、広島大学大学院人間社会科学研究科准教授。専門は教育方法学、外国人児童生徒教育、日本語教育学、社会科教育学。2022年日本語教育学会奨励賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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