目次
1 イギリス領カリブとは?
2 複雑な人種構成とその背景
3 英語圏としての旧英領カリブ世界
4 イギリス領カリブの成立と自立
5 カリブからイギリスへのインパクト―戦後移民と戦後文化の形成
6 レイシズムとアンチ・レイシズムの間
7 故郷喪失のカリブ
8 カリブのカーニバル
著者等紹介
川分圭子[カワワケケイコ]
京都府立大学教授。文学博士(京都大学)。イギリス近世・近代史専攻、ロンドン商人、西インド貿易を主に研究
堀内真由美[ホリウチマユミ]
愛知教育大学教育学部准教授。博士(文学、大阪大学)。イギリス近現代女性史、ジェンダー論、ポストコロニアル研究、ブラック・フェミニズム専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2024/12/04
印度 洋一郎
1
カリブ海の旧イギリス領の島々を中心にした本だが、この地域でのイギリス文化圏の存在感の大きさが偲ばれる内容。カリブ海に植民してきたイギリス人はサトウキビ栽培の大規模経営を行うプランターと呼ばれる大農場主を中心にした社会を形成し、そこに労働力として連れてこられた奴隷の子孫が、現在の住民の大半である黒人という社会を基層にしている。そのような歴史的背景から、島毎に独自の利害を持っているため、戦後イギリスが意図した島々を一つの連邦として独立させる西インド連邦は短期間で瓦解。カリブと並んでイギリスに関する記述も多い。2024/07/22
土偶
1
このシリーズでは2023年初版の新しい地域。 カリブ海諸国で何で英領の島単位で独立国家が林立したのかずっと不思議だったところで、この答えがようやく分かった気になる。 またイギリスでのレイシズムについてのドキュメントでクラプトンがその側の人間(彼の音楽のルーツの一角が黒人音楽が含まれるにも関わらず)だという過去があったことに驚いたんだが、それを含めたレイシズムと反レイシズムの音楽シーンにページが割かれているのも特徴的。2024/04/17
moti moti
0
この手の本だと、非白人の話が中心になりがちだけど、本書はカリブ海の部分は白人の話も多い。カリブの黒人についての本は他にも沢山あるし、同シリーズのカリブ海編にも詳しいので、差別化を図ったものと思われる。ただし、エリックウィリアムズやマーカスカーベイ、ラスタ、音楽等はほぼスルー、カリブの黒人文学も申し訳程度の取扱なので、英語圏カリブの入門書とは言い難い気もする。一方でイギリスのカリブ移民については総花的な扱いで、入門書としては良い気がした。カリブにある旧英領の小さい国や地域の歴史も知ることができる。2023/11/12




