内容説明
1940年代からアメリカでは度重なる核実験が行われ、ハンフォード核施設の風下住民は慢性的に放射性物質に曝され続けていたが、40年以上この公害は調査されず、政府に巧みに隠ぺいされてきた。本書は核被害で障がいや重病に苦しむ無辜の人々の悲しみと怒りの記録である。2020年ノーチラス文学賞銀賞(ジャーナリズム・調査報告部門)。
目次
第1章 忘れ去られたモルモット
第2章 ハンフォードとマンハッタン計画
第3章 冷戦初期、1945年から1950年
第4章 冷戦―1951年~
第5章 汚染されたミルク
第6章 ハンフォード―風下トラブルの兆候
第7章 ネバダ核実験場―風下トラブルの兆候
第8章 ハンフォード―沈黙のホロコースト
第9章 ハンフォード風下被曝者、裁判に訴える
第10章 アレン裁判の破棄―変化をもたらす人たち
著者等紹介
プリティキン,トリシャ・T.[プリティキン,トリシャT.] [Pritikin,Trisha T.]
リッチランドで生まれ育ったトリシャ・プリティキンは、被曝が原因と思われる甲状腺異常に長年悩まされつつも作業療法士を経て弁護士となり、30年以上にわたって被曝により健康を害した人々のために働いている。アメリカ国内のいくつかの諮問委員会の委員としても被曝とそれによる健康被害について意見を述べ、この問題についてアメリカを始め、カナダ、日本、台湾、スウェーデン、フランス領ポリネシアなどで講演を行っている
宮本ゆき[ミヤモトユキ]
広島市生まれ。シカゴ大学で博士号取得後、シカゴ市内のデュポール大学に勤務。宗教学科教授、デュポール人文科学センター長。専攻は倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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