内容説明
現実の“ままならなさ”をいかに綴るか。阪神・淡路大震災の手記を集め出版してきた「記録しつづける会」。その活動は中断も含めた様々な困難に直面する。活動を「よい物語」にしたい欲望もめぐる中、そのままならなさを含み込む研究は可能か。アクションリサーチの可能性を提起する画期的な一冊。
目次
第1部 エスノグラフィ(出会いから交流会をひらくまで;二〇年目の手記集をつくるまで;二五年目の記録集をつくるまで)
第2部 分析編(「記録しつづける会」のアクションリサーチの前提―一九九五年から二〇〇五年の取り組みとその分析;「記録しつづける会」エスノグラフィの分析―活動を駆動させる“ままならなさ”)
第3部 理論編(アクションリサーチの構造的問題と“ままならなさ”;共話的エスノグラフィ―オルタナティブな記述の手続きの提案;「出会い」にひらかれた活動の閉じ方―“ままならなさ”を引き受けるアクションリサーチ)
著者等紹介
高森順子[タカモリジュンコ]
1984年兵庫県神戸市生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科単位修得満期退学。博士(人間科学)。グループ・ダイナミックスの視点から、災害体験の記録や表現をテーマに研究している。2010年より「阪神大震災を記録しつづける会」事務局長。公益財団法人ひょうご21世紀研究機構主任研究員、愛知淑徳大学助教などを経て、現在、在野で活動している。2014年度井植文化賞報道出版部門受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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