出版社内容情報
離婚後の「共同親権」について、賛否が割れる中、2022年11月にようやく法制審議会の中間試案がまとめられた。今後パブリックコメントを経て議論に入る状況にある。
本書では、実際に面会交流の調停をしている当事者(同居親)や面会交流している子どもの「生の声」をはじめ、アメリカ、イギリス、オーストラリアの事例、さらには面会交流に直面する子どもたちの精神状態を踏まえて、元家庭裁判所調査官、弁護士、家族法学者、精神科医が考察・提言する。
子どもの意思が尊重され、子どもの安心が保障される「面会交流」と「親権」のあり方とは何かを問う一冊。
【目次】
はじめに[熊上崇]
第1章 面会交流の諸問題ならびに関する国内外の研究動向[熊上崇]
1 面会交流の諸問題
2 映画『ジュリアン』『サンドラの小さい家』から見る面会交流
3 近年の海外の法制度の変遷
4 子どもにとって安心できる面会交流のために
まとめ
第2章 国内および海外(イギリス、アメリカ、オーストラリア等)の実情と法制度
1 海外での面会交流の実情および共同監護に関する法制度の変遷[小川富之]
はじめに――問題意識
1 日本における共同親権制導入の議論
2 欧米諸国の現状
3 欧米諸国では「共同親権制」が採用されているか?
4 日本の現行法制で共同養育は実現できる
5 国連「児童の権利委員会」の勧告と日本の離婚後の子の養育法制の課題
6 共同親権制の危険性
おわりに――イギリス司法省の報告書について
2 オーストラリアの家族法、面会交流などの制度、実情[石堂典秀]
はじめに
1 オーストラリア家族法における親責任と子どもの養育概念
2 DVと州法
3 養育費改革
4 オーストラリアにおける離婚後の監護の実態
最後に
第3章 親権、面会交流に関する家裁実務からみえること[岡村晴美]
はじめに
1 離婚後の親権について
2 面会交流について
おわりに――吹き荒れた「面会交流原則実施論」に抗えなかった反省をこめて
第4章 家庭裁判所で面会交流の調停を利用した同居親へのアンケート調査結果[熊上崇]
調査実施者について
第5章 家庭裁判所の面会交流調停を経験した同居親の体験談
1 面会交流の当事者(同居親)の会の方々より
2 9人の体験談
第6章 面会交流に関する子どもの声を聴く子どもへのアンケート調査結果と体験談[熊上崇]
はじめに
1 面会交流をしていた人の調査結果
2 面会交流をしていなかった人への調査結果
3 家庭裁判所に意見を述べた経験――20歳大学生女性の体験談
第7章 子どもたちの声を聴く面会交流にむけて[山田嘉則]
1 子どもは差別されている
2 子ども差別とトラウマ
3 DV被害親子のケース
4 離婚後面会交流の問題点
5 ケース続き――面会交流
6 聞かれない子どもの声
7 子どもの声を聞く
終章 子どもを守る面会交流へ[熊上崇]
おわりに[岡村晴美]
執筆者紹介
目次
第1章 面会交流の諸問題ならびに関する国内外の研究動向
第2章 国内および海外(イギリス、アメリカ、オーストラリア等)の実情と法制度
第3章 親権、面会交流に関する家裁実務からみえること
第4章 家庭裁判所で面会交流の調停を利用した同居親へのアンケート調査結果
第5章 家庭裁判所の面会交流調停を経験した同居親の体験談
第6章 面会交流に関する子どもの声を聴く―子どもへのアンケート調査結果と体験談
第7章 子どもたちの声を聴く面会交流にむけて
終章 子どもを守る面会交流へ
著者等紹介
熊上崇[クマガミタカシ]
和光大学現代人間学部心理教育学科教授、筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了、博士(リハビリテーション科学)。元・家庭裁判所調査官
岡村晴美[オカムラハルミ]
名古屋大学法学部卒。2007年1月に弁護士登録。いじめやハラスメントに関する事件のほか、DV、ストーカー、性被害事件など、女性の権利擁護に関する事件を中心に取り組む。弁護士法人名古屋南部法律事務所(愛知県弁護士会)所属
小川富之[オガワトミユキ]
大阪経済法科大学教授。民法・家族法。著書として「離別後の親子関係を問い直す―子どもの福祉と家事実務の架け橋をめざして」(共編、法律文化社、2016)、「欧米先進諸国における『子の最善の利益』の変遷」(梶村太市・長谷川京子・吉田容子編著「離婚後の子どもをどう守るか」所収、日本評論社、2020)など多数
石堂典秀[イシドウノリヒデ]
中京大学スポーツ科学部教授。民法、スポーツ法、スポーツ政策を専門とする
山田嘉則[ヤマダヨシノリ]
クリニックちえのわ、医師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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