内容説明
必要なのは、「包摂」や「多様性」による改修ではなく、解体だ。白人女性の利益のためにマイノリティを抑圧し、差別構造を利用してきたホワイト・フェミニズムと、それに対抗し、黒人、先住民、クィア、トランスジェンダーなどのマイノリティ女性たちが実践してきたインターセクショナル・フェミニズムの歴史を活写する。
目次
フェミニストの断層線
第1部 文明化(女性の権利とは白人の権利なのか?;白人の同情対黒人の自己決定;入植者の母親と先住民の孤児)
第2部 浄化(優良な国家を産む;フェミニズムを路上へ;TERFの門番とトランス・フェミニストの地平)
第3部 最適化(リーン・インか連携か)
結論 ふたつのフェミニズム、ひとつの未来
著者等紹介
シュラー,カイラ[シュラー,カイラ] [Schuller,Kyla]
ラトガーズ大学ニューブランズウィック校女性・ジェンダー・セクシュアリティ研究科准教授。スタンフォード大学人文科学センターおよびアメリカ諸学会評議員会より特別研究員奨励賞を受けた。北米、ヨーロッパ各地で講演をおこなっている
飯野由里子[イイノユリコ]
東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター特任准教授。一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員。専門はフェミニズム・ディスアビリティ研究
川副智子[カワゾエトモコ]
早稲田大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カモメ
5
ホワイト・フェミニズムは害悪の積極的な形態であると強く非難する。特権をもつ女性を解放するために機能し、優生思想、同性愛嫌悪、トランスフォビア、新自由主義的資本主義を支持し、終始一貫して社会のもっとも周縁にいる人々をさらに疎外する。白人至上主義が女性参政権を進めるための選択的戦略として利用されていた事例や、白人のみがふさわしい指導者であるという前提をもっと教育制度の事例が取り上げられている。居留地外の全寮制学校も悪名高い事例として取り上げられ、一夫一婦婚の家族になるよう強制し女性を経済的に2023/07/04
柘植 公人
1
p44まで2024/07/13
Nao
1
ものすごくついていくのが難しかった…解説を読んでわずかに理解ができた。白人女性に有利に訴えられてきたフェミニズムが、黒人、有色、障害をもった、トランスジェンダーを含め誰かを貶めるものであってはならない。2023/07/30
しじま・炎のラニーナchang
0
ブックトークも拝聴して、やっぱり強い言葉で書かれた(二項対立的に、これはあえて?)本だなあとおもった。2023/05/25