目次
1 性的人身取引―概要
2 インドとネパール
3 イタリアと西欧
4 モルドヴァと旧ソ連諸国
5 アルバニアとバルカン
6 タイとメコン河流域地帯
7 アメリカ合衆国
8 奴隷制廃止に向けての枠組み―リスクと需要
著者等紹介
カーラ,シドハース[カーラ,シドハース] [Kara,Siddharth]
米国テネシー州出身のインド系アメリカ人。大学卒業後ニューヨークで投資銀行家としてキャリアを積んだが、学生時代に知った人身取引問題への関心を持ち続け、金融・経済の視点を取り入れて解決を目指すことを決意。世界50カ国以上を訪ねて何千人もの当事者の話を聞き、現代奴隷制の実態を世に訴える三部作を著した。人身取引・現代奴隷問題の専門家としてCNNやBBCをはじめ数多くのメディアに登場し、国連・各国政府への助言を行う他、現在はハーバード大学、カリフォルニア大学、ノッティンガム大学で研究し、教鞭を執っている
山岡万里子[ヤマオカマリコ]
国際基督教大学教養学部卒業。翻訳業を通して人身取引の問題に出合い、その啓発活動を行う“ノット・フォー・セール・ジャパン”を立ち上げ、代表を務めている。“消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワーク”共同代表幹事。“人身売買禁止ネットワーク”運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kokekko
6
最近読んだ本の参考文献にあり、気になったので。奴隷制はまだ終わっていない、という言葉から始まる性的人身取引に関するルポ。世界各地の状況分析や豊富な実地ルポ、そして「あまりにも人身取引にメリットがありすぎる現状を変えるために、デメリットを増やす行動を」というわかりやすい提言を含む骨太の一冊。日本にも「親の借金のかたに法的には問題があるけれど風俗店で泣く泣く働く女性」があり、他人事では全くない。しかし最も過酷だったのは「でも元居た場所に戻るよりは奴隷の方がまし」という境遇が数多存在する事実だった。2024/08/02
る
4
性的搾取目的の人身取引はなぜ無くならないのか?著者は奴隷所持者・買春者に道徳的な訴えをするより、経済的な損失を与える方法を取るほうが効果的であると言う。 1,8章が反性的人身取引の理論。 2〜7章が性搾取被害者への取材・実地調査。 被害者への取材は辛い内容なのでまずは1,8章の理論だけでも。2024/12/10
pushuca
3
必読の書だ。2024/10/26
ラピスラズリ
3
ところどころ、顔をしかめながら読んだ。同じ人間なのにどうしてここまでひどいことができるのか、自分には到底理解できなかった。管理する人に逆らったり、ノルマを達成できなかった場合の暴力にも顔をしかめたが、なんとか奴隷生活から逃れて家に帰っても、家族からひどい仕打ちを受けたり、家に戻ることを許さなかったりすることがあるという事実にも、顔をしかめずにはいられなかった。2024/08/17
dulce_zakka
1
辛い2024/03/02