内容説明
アカデミックにアイドル研究を行うことの意義と可能性とは―文化現象から社会を問いなおす。
目次
アイドル・スタディーズへの招待
第1部 アイドル研究の展開(「アイドル」はどのように論じられてきたのか;アイドルは労働者なのか―「好きなこと」を「やらせてもらっている」という語りから問う ほか)
第2部 アイドルのジェンダー/セクシュアリティ(異性愛規範と「恋愛禁止」はいかに問い直されるか;性を装うアイドル―演じる/演じない手段として ほか)
第3部 ファン研究の射程(語る方法としてのアイドル関連同人誌;アイドル文化におけるチェキ論―関係性を写し出すメディアとして ほか)
第4部 アイドル研究領域の拡大(日本文化としてのアイドル―インドネシアの動向を事例に;「異なる文化圏のアイドル」はいかに評価されるか―日韓合同K‐POPオーディション番組『PRODUCE 48』を事例として ほか)
著者等紹介
田島悠来[タジマユウキ]
帝京大学文学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中玉ケビン砂糖
58
「学際的で位置付けが難しいから……」と軟着陸してしまいたい気持ちは痛いほどわかるが、「読めるレジュメをとにかく集めてきました」という雑駁さがやはり拭えない。一昔前に「ボカロ論」や「メディアミックス論」が流行って悉く消えていったが、社会学者が「最近の若者論」めいたパッケージを語るよりは「ちゃんと真面目に」書いているので、こうして一冊の論考集ができたことに収穫はあるのだろう。「メディアとしてのアイドル」と「それが生み出す社会・個人の様相」を主軸に論旨展開を試みているが、2023/04/23
崩紫サロメ
16
「アイドル」をとりまく諸現象をアカデミックに扱うための入門書。編者はマスメディア/コミュニケーション研究やカルチュラルスタディーズの視座からの方法を提示するが、共著者によって様々な視点や可能性が提示される。「感情労働」という視点から「労働者」としてのアイドルに関する視点、また、ファンの「感情労働/感情管理」の問題への指摘、日韓アイドルの比較(韓国=実力、日本=魅力というステレオタイプへの疑問)、台湾の社会運動のリーダーがアイドル化される例から「アイドル」を問い直すなど様々なアプローチが提示されている。2022/11/10
アルパカメタル
2
こういう本、もっともっと出てほしい。台湾のひまわり運動の章があるのがアカデミックだなあ、と。2022/11/10