内容説明
新型コロナ下の外国人労働者問題に切り込んだキャンペーン報道を書籍化。外国人技能実習、特定技能、留学生、日系人労働者、外国人花嫁、非正規滞在、入管問題を網羅した現場ルポ。日本ジャーナリスト会議(JCJ)「第64回JCJ大賞」、新聞労連「第26回ジャーナリズム大賞優秀賞」W受賞!
目次
Prologue 増える外国人住民 ともに歩む道を探る
1 命の分岐点
2 技能実習のひずみ
3 深い闇 技能実習から特定技能へ
4 日系労働者受け入れ30年
5 彼女たちの孤独
6 新型コロナ直撃
7 しぼむ留学生ビジネス
8 入管ブラックボックス
Research Data 独自調査の結果と分析
9 日本政府への提言 メビウス社会へ
10 最終提言 分断を克服する想像力を
Epilogue 信州を彩る無限の可能性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
34
実に手堅い・読み応えあるファクトを積み重ねて、「日本に滞在する外国人」という語り尽くされたようでまだまだこれからホットとなりうる問題に本書はメスを入れる。ぼく自身、彼らへの差別やパワハラが横行していること自体は知っていた「つもり」だったが、ここまでわかりやすく・明快に並べられると自分の迂闊さを恥じるしかない。だが、いったいどこにこの問題の解決の糸口はあるのか。闇ビジネスで「甘い蜜」の味を知ってしまった企業か。それとも国か。ぼく自身か。わからないが、これからいやでも「日常」となる事態がこの本に満載されている2024/12/01
sunadokei5310
7
外国人労働者を「使い捨て」にしている実態とその背景を追った、信濃毎日新聞の報道キャンペーンをまとめたもの。 「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった」。何十年も前に、移民問題に直面した国の作家がのこした言葉らしいが、学びがあったとは思いがたい現状を知る。2022/10/28
まこ
3
☆☆☆コロナ禍の在留外国人約300万人。日本人がやりたがらない低賃金・危険・力仕事などを彼らが担ってくれている。コンビニ弁当も新鮮な野菜も彼らがいないと私たちのもとに届かないほど。入管や実習制度はまだまだ改正していかないと、本当の共生には程遠い。用語を『不法滞在』『不法残留』ではなく『超過滞在』『非正規滞在』に切り替えるべきという意見に大賛成。2025/01/23
にっしー
3
「お金って、一体何なんだろう」と感じた。 家族に仕送りをするために、日本で働きたい外国人。その外国人に法外な費用をふっかける送り出し機関。その送り出し機関から賄賂を受け取る日本の受け入れ機関。賃金未払いで働かせる日本の雇い主・・・。 金のために、人を騙したり人に騙されたり、金のために、金では買えない健康や家族を犠牲にせざるを得ない外国人の実態を知って、拝金主義の世の中に徒労感を覚えた。 私もまた、そんな拝金主義に、無意識のうちに染まってはいないだろうか。2023/02/15
chuji
2
久喜市立中央図書館の本。2022年3月初版。初出「信濃毎日新聞」2021年1月4日~6月30日迄の連載や特集、提言を再構成し纏めたもの。日本ジャーナリスト会議(JCJ)「第64回JCJ大賞」、新聞労連「第26回ジャーナリズム大賞優秀賞」W受賞。我が国は難民受け入れに消極的だし、外国人にとっては暮らし辛い島国です。オイラは 60数年生きていますが、外国人と話したことがない、島国根性人間です。2022/03/28