内容説明
全米各地で研究者、学校関係者や親子など数百名に聞き取りを行い男子の性加害・被害実態を調査。男子大学生の22%が入学前に性暴力を振るった経験をもつ国の、語られざる物語を紡ぐ。「男らしさ」の常識に挑み、あるべき性教育を模索する、この時代の必読書。
目次
第1章 私たちには見えていないもの―少年に対する性的暴行の密かな流行
第2章 少年はいずれ男性になる―生まれ・育ち・少年期を再考する
第3章 性教育の危機―セックスの話をしないことが子どもにとって危険なわけ
第4章 若者の心の形成―学校は子どもたちをいかに導き損ねているか
第5章 「同意」ととは何か―アジズ・アンサリの告発者、グレースから学ぶ
第6章 人種差別、暴力、トラウマ―親しい関係が少年の心の支えになる
第7章 ハリーにサリーが必要な理由―男子校が時代遅れにならないために
第8章 少年たちの居場所―男の友情が新たな文化を作り上げる
著者等紹介
ブラウン,エマ[ブラウン,エマ] [Brown,Emma]
ワシントン・ポスト紙の調査報道記者。ジャーナリストになる前は、ワイオミング州で自然保護官、アラスカ州で中学校の数学教師として勤務。夫と2人の子どもとワシントンDCに在住
山岡希美[ヤマオカキミ]
翻訳家。16歳まで米国カリフォルニア州で生活。同志社大学心理学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
45
素晴らしい一冊だった。女の子を鼓舞する素晴らしい本がたくさんある中、「男の子がピンクを着てもいいっていう本はないね」と先日娘と話した。探したら「ピンクはおとこのこのいろ」と言う絵本があった。でも、新しい男の子の定義本が必要なんじゃないかなあ…と考えていたところだったので、この本に引き寄せられた。現在のアメリカで男の子を育てるとはどういうことなのか、母親でもある著者とともににふれていける内容だ。黒人少年への恐ろしいまでの偏見をはじめ、アメリカらしい問題も紹介されるが、多くは日本でも見られる問題で参考になる。2022/02/18
てくてく
6
著者はアメリカで娘と息子の2人の子を育てる女性。女性をめぐる環境はこの20年でかなり変化し、女性はなんにでもなれるといった励ましはよく見かけられるようになった。それでは男性はなんにでもなれるかというと、男らしさなどの枷がある。そしてマンボックスの弊害については指摘されているが、それを男性自身が受け入れられる形で克服するためにはどうすべきかという点は女性以上に課題が多い。少年が被害者にも加害者にもならず、自分の居心地の良さを実感する環境にたどりつくためにはどうすべきなのか、日本でも考えなければならない。2022/03/14
田中峰和
4
未成年男子への性加害といえば、ジャニー喜多川。それほどネットでは騒がれるが、放送業界では、ほとんど報じられない。一説によると千人を下らないといされるジャニーによる性加害。圧倒的権力者に犯され沈黙を守っていた少年たちの逆襲である。本書ではホモセクシュアルによる性加害に限らず。少年同士による暴力、リンチとして多くの事例が挙げられる。複数の少年たちによって凄まじいリンチを受けた少年たち。モップを肛門に挿入され、出血して病院に搬送されることが頻発する。アメリカでは4人に1人の男性が性被害にあっているという。2023/04/28
tellme0112
4
本の作り手の方々には本当に申し訳ないのだけどかなりはじめの方で、辛すぎて読めなくなってしまった。。。
takao
2
ふむ2023/06/19