内容説明
不平等を是認する社会を続けるのか。コロナ禍で移民たちが直面している困難は、日本人以上に深刻だ。雇用環境が元々脆弱な上、就職差別にも遭遇している。学びやつながりの困難を抱える人も多い。この状況下でなおも「社会の一員」の可能性を奪い、排除し続けることの意味を問う、画期的な試み。
目次
1 脆弱性はいかに露呈したか(「二回目の危機」―コロナ禍における南米系移民の人々の仕事と生活;コロナ以前/以降の重層的困難と連帯の可能性―ベトナム人技能実習生への調査から;「学べない、働けない、帰れない」―留学生は社会の一員として受け入れられたのか;運用と裁量に委ねられた人生―コロナ禍で浮き彫りとなった仮放免者の処遇;社会的危機と差別―ヘイトスピーチ、直接的差別、そして公的差別)
2 脆弱性をどのように支えるか(雇用は守られているか―政府のコロナ対応・外国人労働者政策を検証する;学びとつながりの危機―外国にルーツをもつ子どもの多様性を受け止める;セーフティネットの穴をいかに埋めるか―いのちをつなぐ連帯と協働;コロナ禍で発揮されたネットワークの力―愛知県内での取組みから)
3 「もうひとつの社会」に向けて(諸外国の事例を通して考える「特定技能」―雇用縮小下・移動制限下での外国人労働者の受入れ;コロナから考える統合政策―日本における多文化共生施策の課題と展望;国際人口移動の流れは変化したのか―パンデミック下の実態と今後のゆくえ)
著者等紹介
鈴木江理子[スズキエリコ]
国士舘大学文学部教授。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)副代表理事、認定NPO法人多文化共生センター東京理事等を兼任。移民政策や人口政策、労働政策を研究するかたわら、外国人支援の現場でも活動。主著に『日本で働く非正規滞在者―彼らは「好ましくない外国人労働者」なのか?』(単著、明石書店、平成21年度冲永賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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