内容説明
獄舎から「作家の自由」を求めて。僧侶を志した青年期の放浪、懸命な愛を注いでくれた母への想い、獄舎で出会った不遇な人びとへの共感、戦場での余りに苛酷な運命、妻の献身と不憫な子への悔悟、光州の闘いに敗れた若者への自責、そして何より独裁権力への強い怒りと闘いの日々。韓国現代文学の絢爛たる開花の沃地となった民族の記憶を作家みずからが語る。
目次
放浪 1956~66
監獄5
派兵 1966~69
維新 1969~76
光州 1976~85
監獄6
著者等紹介
黄〓暎[ファンソギョン]
1943年、中国長春(旧満洲新京)生まれ。9歳で韓国に移住。1962年、高校在学中に短編小説「立石附近」で『思想界』新人文学賞を受賞。4・19学生革命や日韓会談反対運動に参加し、ベトナム戦争にも従軍。70年、短編小説「塔」が『朝鮮日報』新春文芸に当選し作家活動を始める。89年に北朝鮮を訪問し、国家保安法違反で手配されたためベルリンとニューヨークで亡命生活を送る。93年に韓国に帰国すると国家安全企画部に逮捕され、98年金大中政権誕生による赦免で釈放されるまで5年に及ぶ服役生活を送る。釈放後、韓国の古典から近現代史までを題材とする作品を次々に発表し、現代韓国を代表する作家として評価されている
舘野〓[タテノアキラ]
韓国関係の出版物の企画・執筆・翻訳・編集に従事。K‐BOOK振興会理事。日本出版学会会員
中野宣子[ナカノノリコ]
韓国語・朝鮮語翻訳、講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。