内容説明
過疎化、寺離れ、後継者の不在など、危機に直面する日本仏教。物質的豊かさを実現したはずなのに幸福を実感できない現実の中で、今こそ、仏教が蓄積してきた精神文化の知恵が求められている。
目次
第1章 今、仏教に期待されるもの
第2章 「人生一〇〇年時代」と仏教―日本仏教の現状
第3章 僧侶―死と生に寄り添う存在―これからの僧侶とは1
第4章 時代に呼応する仏教者―これからの僧侶とは2
第5章 「共生社会」と寺院の可能性―これからの寺院とは
第6章 社会の苦悩に向き合う―これから求められる仏教の役割とは
著者等紹介
大菅俊幸[オオスガトシユキ]
1950年生まれ、宮城県出身。駒澤大学大学院人文科学研究科修士課程仏教学専攻修了。高校教員などを経て公益社団法人シャンティ国際ボランティア会職員。現在、同会専門アドバイザー、曹洞宗総合研究センター講師。実践仏教学。シャンティの創設者有馬実成に共鳴し、仏教精神に根ざした社会貢献活動(仏教ボランティア)を探究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hisashi Tokunaga
1
寺社が地域貢献あるいは地域生涯学習へどのような試みを探っているか知りたく読んだ。寺社は地域の歴史変遷を知悉しており、場として深淵な雰囲気に満ちている。寺社は檀家のため、葬儀法事のための場から在家との協働を指向していることがわかった。寺は今、檀家の減少、檀家の構成員としての「家」の変化(少子化、高齢化、在地からの流出移転など)、後継者不足、消滅の可能性、寺社格差などの問題。そこから後継者育成システムの構築、ソーシャルキャピタルとしての地域の人への寄り添い、臨床宗教師への志向、場として避難所や子ども食堂など。2022/01/20
Go Extreme
0
人口減少→檀家制度の長所と短所 東日本大捉災:僧侶や寺院のあり方再認識 人生100年時代と仏教:寺院格差・後継者の問題・檀家数の減少 僧侶:死と生に寄り添う存在 臨床宗教師 時代に呼応する仏教者 僧侶育成:次世代教化システム 布教・強化<苦悩やニーズに対応 極点社会:地方から大都市圏への人口流出 何度か転職を重ねて80歳まで働く生き方 スピリチュアルケア・最期の場面は宗教者の領域 仏教の社会倫理 共感都市・共感の倫理 日本のお寺:9割方が1400年代から1600年代に建立 人物本位主義 福祉思想の空洞化2020/10/20