内容説明
いくつもの構造的な課題が、生産的で質の高い仕事を行える職業生活の延長に向けた努力を阻み続けている。これらの課題としては、多くの企業において60歳という低い年齢の定年退職年齢の設定と関係する伝統的な雇用慣行と賃金体系、労働者間の格差を生み出す二重労働市場、若壮年期と高齢期どちらにもみられる相対的に質の低い仕事、といった課題が含まれる。特に、さらなる政策対応としては、高齢者のニーズや特定の状況、すなわち、1)終身雇用の恩恵を受けたものの60歳を過ぎ、引退に向け不安定な移行に直面する労働者層、2)終身雇用の外で増加しつつある非正規雇用者層、3)若い時期から非正規として働いてきたか、全く働いてこなかった女性の高齢者層、に応じた対応がなされなければならない。
目次
評価・提言(日本の人口は高齢化が急速に進み、労働力人口は減少していく;日本の高齢者はそれぞれに合わせた政策対応が必要となる多様なニーズを抱えている ほか)
第1章 変革期にある日本の高齢者雇用(変革期にある日本の高齢者雇用;急速な人口高齢化を背景に、高齢期における就労の促進はこれまで以上に重要なものとなっている ほか)
第2章 高齢者の雇用を維持し、新規に雇う事業主への支援策(雇用慣行と高齢者雇用のコスト;年功要素による賃金上昇が他国よりも日本は大きい ほか)
第3章 スキル開発と就労化対策(職業生涯を通じた訓練の促進;就労支援の効率化 ほか)
第4章 長期化する職業生涯に応じたより良い仕事の質(日本の仕事の質と労働条件;高齢労働者の労働条件強化に向けた取組 ほか)
著者等紹介
井上裕介[イノウエユウスケ]
厚生労働省、内閣府を経て、経済協力開発機構(OECD)労働市場エコノミストとして本書を執筆。現在、世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターフェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- ずっと、そこにいるよ。