目次
第1部 戦後の開発援助の変化とグローバルな貢献(SDGs時代の開発協力を考える;戦後の開発論の変化とグローバルな貢献―日本の政府開発援助(ODA)を事例として ほか)
第2部 開発援助の再考―事例編1(紛争・難民時代に考える「開発協力」―日本の自立によるグローバルな協力を目指して;「開発援助を評価する援助関係者」を考える―アフガニスタンをめぐる復興・開発援助 ほか)
第3部 世界の貧困・格差問題―事例編2(人身取引課題から開発を再考する―メコン地域の事例から;アジアの格差・貧困問題に関する考察―カンボジアにおける日本のNGOによる支援活動を事例に ほか)
第4部 課題と展望(グローバル開発協力への展望―SDGs時代に「協働」や「共感」をどう醸成するのか?;開発と倫理―倫理的開発学を目指して)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sanchai
1
市民社会が政府開発援助を批判的に評価するのはわかるのだけれど、SDGs、SDGsと盛り上がっている企業の姿勢に対する言及をほとんどしていないから、まるでODAがやっていることは企業よりも質が悪いという論調になってしまっている気がする。環境面での貢献ばかりをアピールしたがる企業に対して、本書が貧困や人権をハイライトする本書の視点は重要だと思う。グローバル開発協力が援助だけでなく、貿易投資、人の移動など包括的に捉えるものだというのなら、いつものODA批判を越えた包括的な論考をして欲しい。2021/04/11