内容説明
「ロヒンギャ」を取り巻く社会情勢は宗教的イデオロギーや地政学的位置づけから複雑性を極めており、難民支援や平和構築の一般理論やこれまでの経験則では対応が難しい。これに対処するには「ロヒンギャ」に関する基礎的知識の共有が必要だ。
目次
第1章 ロヒンギャ問題とは何か
第2章 越境したロヒンギャの今
第3章 ロヒンギャとはいったい誰なのか
第4章 世界のロヒンギャ
第5章 難民支援とロヒンギャ
第6章 難民になれない難民としてのロヒンギャ
第7章 アナン報告が示すロヒンギャの未来
著者等紹介
日下部尚徳[クサカベナオノリ]
東京外国語大学講師
石川和雅[イシカワカズマサ]
上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士後期課程地域研究専攻退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
70
色んな立場の人が書いてる。 人によって微妙に見方が違うなあ。それだけ難しい問題なのだろうけど。 バングラデシュ、コックスバザール付近、元々の人口40万に対して100万の難民が流入、地元民がマイノリティになる、という驚くべき状況。 日本のロヒンギャコミュニティは群馬県館林市にあり、250人ほど、とのこと2021/10/31
イボンヌ
12
ロヒンギャ問題の理解を少しでも深めようと読む事に。 研究者だけでなく、現地の難民キャンプで活動してきた医師や看護師によるレポートもあります。 これからも関心を持ちたい。2021/05/05
かさお
7
気になるけど手を出すのに躊躇する難しげな本…「読まない読書会」(挫折しそうな本を、メンバーで分担して少ないページ数にして読んでそれぞれ発表してディスカッションする)を図書館でしてきた。おかげで2章分しか読んでないけど実質1冊読めたことに。。イスラム関係は本当に複雑で多民族、宗教、政治、軍とで絡みあい、スーチン女史は政治力をハッキリ出来ないという事。バングラデシュに避難したロヒンギャ民族は法律的に土着民とも国民とも認められず帰化するにも大臣の裁量によるので難しい事。国籍が無ければ国際法で守られない事、等…2020/01/26
氷柱
5
767作目。10月6日から。1ページ辺りのボリュームが重めである。ロヒンギャについて様々な角度から論じられている。ミャンマーとバングラディシュの抱える問題はもはや世界レベルの関心事だ。日本にとってはエスニシティと国籍が殆ど同じものということもあってとっつきにくい問題かもしれないが、その辺りを完全に別個のものとして捉えている人たちにとってはお金と土地の問題が解決されればもう少し考えやすいものになるのだろう。「民族に左右されず国籍が誰でも簡単に手に入るものになれば良いのに」という発想が衝撃的であった。2021/10/10
cochou
1
長谷川瑠理華さん。12歳でミャンマーの国民登録カードを受け取れず将来に不安を感じ日本に移住。高校卒業後デザイン学校に進学、二級建築士の資格を取る。現在は夫と会社を立ち上げ、子育てしながら会社を経営。 長女出産後に日本に帰化申請。子どもには「私たちはロヒンギャ民族で日本国籍だよ。」と説明している。2022/06/30