目次
少年時代と放蕩息子伝説
皇太子となったハル
皇太子ハルの放蕩の秘密
ヘンリー四世の死と嵐の船出
ロラード派との対立とフォールスタッフの誕生
フランス侵攻計画
サウサンプトン陰謀事件
百年戦争の再開
決戦アジンコート
ノルマンディーの占領
ヘンリー五世の死
ヘンリー五世像の変遷
著者等紹介
石原孝哉[イシハラコウサイ]
駒澤大学名誉教授、日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
103
シェイクスピアの作品は(というか当時の劇の内容は)検閲対象であった。宮内大臣がお抱えの劇団だ。だから、チューダー朝史観を民衆に植え付けるものでなければならないという前提でシェイクスピアのヘンリー五世のこの作品を読み比べてみる。なるほど、ヘンリー7世の祖父があるべき姿に仕上がったというわけか。フォルスタッフらと酒場を練り歩く王子は、父の死により考えを改める。そのために用いられたのが聖書の放蕩息子の帰還。もう一つの顔は、捕虜を皆殺しにできる冷血漢。リチャード二世とヘンリー四世の特性を併せ持つ王の完成。2023/07/01
ジュンジュン
15
ペンは剣よりも強し、という事だろうか?シェイクスピアによって脚色されたヘンリー五世は、イギリス人にとっては「理想の君主」であり、「万人に愛された国王」の異名を持つ。本書は、シェイクスピアマジックのネタを明かしながら、丹念に実像に迫る。評価は色々あっても、共通するのは武人としての優秀さ。そして、400年経っても解けないシェイクスピアの魔法の威力。2022/08/16