人体実験の哲学―「卑しい体」がつくる医学、技術、権力の歴史

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人体実験の哲学―「卑しい体」がつくる医学、技術、権力の歴史

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  • サイズ 46判/ページ数 583p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750347288
  • NDC分類 490.75
  • Cコード C0036

出版社内容情報

人体実験に供与される運命にあった人々は、死刑宣告を受けた者、懲役中の者、獄につながれた者、孤児、娼婦、植民地住民、瀕死の病人であり、その境界性には常に道徳的言説が用意されていた。

18世紀から19世紀までのフランスにおける「生きた人体の医学的実験への供与システム」を政治思想史、医学史の両分野から描き出すと同時に、フーコーの時代の記憶を刻みながら、テクノロジーへの関心を通して哲学と医学史の新しい協働の可能性を示す。

2009年、医療の専門誌『プレスクリール』出版賞、同年にはフランス医学史学会から学会賞を受賞。

序章

 「卑シイ体デ試スベシ」――慣用表現の歴史と意味

 実験に伴うリスクの社会内配分という問題

 研究の軸

 本研究の地理的・時間的境界



第1章 刑死体

 死刑囚の解剖学

  解剖という恥ずべき行為

  生者にとっての死者の有益性とは

 刑死の医学化――人体実験としての死刑

  ギロチンの発明

  胴体から切り離された頭が生きているかどうかについての論争

  頭なし胴体から胴体なし頭の実験へ

 死後の実験

  ガルバーニ電気の実験

  死刑囚最後の食事



第2章 死刑囚の体

 君主制的実験――王の体の代替物としての死刑囚の体

  毒味役としての死刑囚

  ムードンの弓騎兵

  代役としての死刑囚の体

 人間ではない死刑囚

  アレクサンドリア的常套句

  「生キタ人間ノ解剖ハ必要カ、マタ許サレルコトカ」

  ディドロの論理――人間ではない罪人を人間愛に溢れた医者が解剖するという逆説

  残酷さという問題

 刑罰を実験に転化させる

  モーペルテュイの提案――贖罪効果と公益性を兼ね備えた実験

  「パリサイ人的科学」の拒否(カント)

  結果論的反駁

 半死半生の人体

  フィヒテが提唱した市民的死の概念

  「古代の奇妙な学説」の復活



第3章 種痘、あるいは大衆試験

 新しい医療の導入

  民間療法

  ニューゲートの実験

 種痘は道徳的に許されるか

  カントの考察

  医学統計と責任領域の拡大

  大衆全体が卑しい体となったのだろうか

 生殺与奪権と人体実験を行う権力

  殺す権利の根拠とは―― プーフェンドルフとルソー

  戦争をする権利と実験をする権利

  国家対個人(ダランベール)

 試験の「ペイラスモロギー」が生まれるまで

  牛と人間

  獣的試験」に反対するマルクス・ヘルツ



第4章 自己実験

 自己実験の理由

  一番手近な実験台

  自家治験

  麻薬の効果の自己観察

 「自分の体にかけて」

  担保としての、また約束としての自己実験

  ラシスとラセールの提案という一例

 殉教の英雄として描かれる医者の姿

  デジェネットの「実験」

  精神的鍛錬としての自己実験

 他人を使った人体実験を制限する条件、あるいは白紙委任とは何か

  初めの実験台

  弁解としての自己実験

  自己実験は許されるか



第5章 臨床試験と扶助契約

 扶助を受けている者の体

  社会への負債のかたに私物化される体

  貧者の値段(ベンサム)

 病院から臨床試験へ――慈善と実利

  「実験医学の講義に最適な患者」

  臨床医学

  知識という剰余価値の抽出

 扶助契約

  「霊妙な権利の力」

  二分される社会、生物としての人間の連帯

 臨床医学の慎重さ

  臨床試験とは

  残存する疑い



第6章 治療的試験の権利

 治療的試験の倫理的規定

  神学と医学的実験

  医療実践に関する倫理規定

 治療的試験の法文化

  ショメルの規則

  治療的試験の方法論

  試験行程の監督制度



第7章 治療的試験の危機と変容

 試験の歴史的形成

  エルヴェシウスとブラジルの木の根

  ペショリエ

 比較対照実験の最初の定義

  太陽王の嚢胞

  ダヴィエルによる白内障手術

  リンドの壊血病実験

 医者たちの戦争、そして実験という武器

  メスメル磁気に対抗する医者たちの「盲目の」闘い

  ホメオパシー治療、あるいは白パンの薬効

  つかの間の勝利

 「古い医学」の認識論的危機

  コントロール・グループの倫理的問題

  プラセボ実験の発明

  数値的方法についての係争



第8章 病理実験

 実験医学の入り口

  治療学の起源

  実験の再定義(クロード・ベルナール)

 どうしても病理実験は不可欠であったこと

  梅毒という問題

  リヨンの訴訟

 微生物学と病理実験の新たな必要条件

  コッホの公準

  新たな卑しい体



第9章 モルモットと交わされた実験承諾書

 見当たらない概念

  奇妙な不在

  実験台の患者をだまし、意のままにすること

  慈善に対する自律の図式(医療パターナリズム)

  二重に不備な概念

 承諾概念の浮上

  スキャンダルと訴訟

  ボングラン、あるいは実験の契約化

  承諾の難題



第10章 現象世界の実験領域への変貌

 開かれたまま動き続けた胃

  アレクシ・サン・マルタンの物語

  瘻孔からカニューレへ――偶然の出来事を技術的に再構成すること

  受動的な実験

 実験領域化というコンセプト

  定義

  古代の受動的実験と近代の受動的実験

  骨相学と軍事医学

 慣習が意味するところ

  カンギレームのラット

  実験のパラドックス

 労働現場での実験

  三つの態度

  実験医学と労働災害

  資本の無制限な実験



第11章 植民地の実験

 プランテーション農場主による奴隷を使った実験

  奴隷たちの種痘

  死の危険にさらす権利――奴隷使用者の権利

  異質な人種でも身体の取り替えは可能――奴隷制医学のパラドックス

 実験科学的人種研究

  「なぜ黒人は黒いのか」(ルカ)

  人種と風土

  人類学的実験

  フランベジア、別名「黒人の病」についての実験

 風土適応という問題、そして植民地医療の経験

  入植者の生き残りに関わる問題

  現地人の経験

  風土適応というコンセプト

 病理実験と熱帯病

  ペストの病因論

  ヨーロッパが知らない病

  収容所という新しい実験装置



終章



訳者あとがき フーコーの時代[加納由起子]



 原注



 参考文献



 索引

  人名/一般歴史・地理/医学史/概念・方法・解釈モデル/重要な哲学的著作



 著訳者紹介

グレゴワール・シャマユー[グレゴワール シャマユー]
著・文・その他

加納 由起子[カノウ ユキコ]
翻訳

内容説明

医学実験にともなうリスクは差別的に不平等に社会の中で配分されていた。死刑宣告を受けた者、懲役中の者、獄につながれた者、孤児、娼婦、植民地住民、あるいは瀕死の病人など、すでに卑賎とされていた人々が「社会」に代わってリスクを引き受けていたのである。「生きた人体の医学実験への供与システム」を医学史、政治思想史の両分野から描く。

目次

第1章 刑死体
第2章 死刑囚の体
第3章 種痘、あるいは大衆試験
第4章 自己実験
第5章 臨床試験と扶助契約
第6章 治療的試験の権利
第7章 治療的試験の危機と変容
第8章 病理実験
第9章 モルモットと交わされた実験承諾書
第10章 現象世界の実験領域への変貌
第11章 植民地の実験

著者等紹介

シャマユー,グレゴワール[シャマユー,グレゴワール] [Chamayou,Gr´egoire]
1976年、ルルド生まれ。カント哲学者、フランス認識論者の系譜に連なる科学技術の思想史家、リヨン、エコール・ノルマル・シュペリウールCERPHI(修辞・哲学・思想史研究所)に哲学研究員として所属。デクーヴェルト社の叢書「ゾーン」編集長も務める

加納由起子[カノウユキコ]
2004年パリ第8大学文学博士。翻訳者、医学史家。2005~6年、パリ、エドガー・モラン研究所での医学史のポスト・ドクター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

66
内容は、出版社による、「18世紀から19世紀までのフランスにおける「生きた人体の医学的実験への供与システム」を政治思想史、医学史の両分野から描き出すと同時に、フーコーの時代の記憶を刻みながら、テクノロジーへの関心を通して哲学と医学史の新しい協働の可能性を示す。」に尽きる。  吾輩は書店で本書を見出し、軽率にも、人体実験の哲学の人体実験だけに惹かれて籠に入れた。自分の体で実験する…といった類の本と同列に見做し期待していた。興味本位で読む本ではない。2022/05/10

EnJoeToh

14
すごかった。2022/12/30

34

6
著者が一貫して関心をよせるのは「身体獲得の技術」である。人体実験の対象となる身体は、どのような社会的実践の場で、また言説の網の目のなかで捉えられ、その行為を正当化され、真理の対象として構成されることになるのだろうか。まず最初に存在するのは、真理そのものへの科学的関心ではなく、権力の問題としての諸々の具体的関心である。権力の問題を解き権力の技術を練り上げるために、人間の身体ほど特権的な場所はほかにない。著者は『人間狩り』のなかで、より剥き出しの暴力の線として、身体獲得技術の系譜学を引き直すことになるだろう。2024/09/21

Schuhschnabel

4
医学研究の倫理では、インフォームド・コンセントがきちんと取られているか、研究が社会にもたらす利益が参加者がさらされるリスクを上回っているかといった問題が中心的に議論される。しかし、これらの2つほど目立たないものの、研究参加者の公正な選択も研究倫理にとって重要なトピックである。本書では、この問題に関して、「卑しい体」というコンセプトを導入し、医学界が実験台をどのように手に入れてきたかを生権力的な観点から解明することを試みている。2019/07/10

Tomohiko Sato

3
17-19世紀のフランスを中心に、医学での生体実験に身を捧げた「卑しい体」と称される囚人、貧民、奴隷の歴史に焦点を当てて、人間が人間を卑賊化するメカニズムを哲学的に検証した作品。医学の過去の成果には「実験する権力」が形を変えながら暗躍してきたことを、種々の主観が入り込んだ史実をもとに30歳で書き上げた筆者に驚き、社会的弱者の捉え方を含め、医学研究における医政分離の難しさを考えさせられる。医学史研究に転向したという訳者から、翻訳より解き放たれたように難解な文学者的あとがきが付されているのは好対照か。2019/07/22

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