出版社内容情報
一冊の本を開くことは、すでにして一種の旅立ちではないだろうか。フランスのさまざまな土地にゆかりのある、中世から現代まで総勢60人の作家を通して、読者を旅に誘う。フランスを愛するすべての人に向けた、豪華執筆陣による珠玉のエッセイ集。エリア・スタディーズ〈文学編〉。
野崎 歓[ノザキ カン]
著・文・その他/編集
目次
1 『トリスタンとイズー』からラ・ファイエット夫人まで
2 ラシーヌからバルザックまで
3 ユゴーからマラルメまで
4 ヴェルレーヌからヴァレリーまで
5 コレットからサルトルまで
6 ベケットからウエルベックまで
著者等紹介
野崎歓[ノザキカン]
1959年、新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、エッセイスト。東京大学人文社会系研究科・文学部教授。著書に『ジャン・ルノワール 越境する映画』(青土社、2001年、サントリー学芸賞)、『異邦の香り―ネルヴァル『東方紀行』論』(講談社、2010年、読売文学賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきあかね
15
通常、このシリーズは、『(国名)を知るための○章』というタイトルだけれど、本書のように、フランスやイギリスは文学に特化した本があり、その豊穣な文学の沃野を感じさせる。小説の舞台となった場所の単なる観光案内とは一線を画し、章ごとに短いページの中で、ある作家の生涯や作品、思想の全体を概括するとともに、ある縁の場所と結びつける文章はどれもみな巧みである。 中でも、フランス文学・思想の研究者であり、歌人でもある安田百合絵さんが著したヴォルテールとルソーの文章がよかった。ヴォルテールの激しく熱量に溢れた人生が、⇒2025/02/03
たか
6
ちょっと前にイギリス編読んだから今回はフランスを。2019/04/19
棚から一つ神
2
中途半端な気持ちで読み始めてしまったので、最後は流してしまいました。残念…。2021/02/14
の
2
フランス文学にゆかりのある土地を訪ねるエッセイ集。地図を片手に旅行気分で楽しめる内容で、フランス文学に馴染みのない読者にも理解しやすい。哲学者のサルトルや「星の王子様」のサン=テクジュベリなど、1000年に渡る世代を超えた作品と、フランス文学者が訪れた当時の思い出を読んでいると、まるで自分が実際に旅した気分にさせてくれる。人々がイメージする「花の都パリ」も、実際に舞台にした作家にとってみれば南欧の方がより魅力的に思えるようで、皮肉めいたフランス評が新鮮な気付きを与えてくれる。実際に小説を読むきっかけに。2018/12/26
icon
1
トリスタンといぞー。黒い帆と白い帆。 アベラールの、皇帝アウグストゥスの妃となるよりあなたの情婦になりたい。 リヨンぺラージュ駅のベルクール広場。めちゃくちゃに高いテグジュペリ像。 スコットランドヤード、桜田門、Quai des Orfèvres。2025/06/18