内容説明
中国の批判報道をめぐりメディア側の独自の展開と共産党の認識の間に権力関係のようなものが存在するかどうか。もし存在するならば、中国共産党とメディアの間には、批判報道をめぐる権力関係及び権力メカニズムはどのようなものなのか。本書は批判報道に関する共産党の認識及びメディアによる批判報道の展開がそれぞれ一体どのようなものなのかを明らかにしたうえで、メディアは批判報道を行う際に、どのように共産党の報道方針に抵抗し、またなぜ共産党の報道方針に抵抗できたのか、という問いの解明を目指す。
目次
序章 問題の所在及び研究対象
第1章 本書の分析枠組と分析手法
第2章 批判報道に関する中国共産党の認識
第3章 中国メディアによる批判報道の展開の経緯
第4章 中国共産党の不正に対する批判報道―『南方週末』を事例に
第5章 突発的事件に対する批判報道―『南方都市報』の炭鉱事故報道を事例に
終章 結論と中国メディア研究の視座への提言
著者等紹介
王冰[オウヒョウ]
2005年来日。筑波大学大学院地域研究研究科修士課程、筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了、博士(学術)。筑波大学人文社会科学系リサーチアシスタント、非常勤研究員等を経て、中山大学コミュニケーションと設計学院講師、中山大学国家治理研究院研究院研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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