内容説明
外国人労働者が100万人を突破―共に暮らす隣人を直視した現場からの報告!第17回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞作品。
目次
第1章 出稼ぎ留学生
第2章 留学ビジネス1 ネパールからの報告
第3章 留学ビジネス2 学校乱立の陰で
第4章 働けど実習生
第5章 変わる仕事場
第6章 交差する人々
第7章 ともに生きる
第8章 近未来を歩く
公開シンポジウム フクオカ円卓会議
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
49
2016年、日本の外国人労働者は100万人を突破、その2割は、実は留学生。アルバイトなしでは学費や生活費が賄えない。日本語を学ぶために、祖国で親が借金をして送り出すネパールやベトナムの若者。だが、日本の受け入れ態勢は留学生としてではなく日本人が嫌う仕事を黙々とやってくれる労働力と見ている。外国人労働者の生活状況はとても厳しい。日本は移民を拒みながら、労働力はほしいという、そんな調子のいいことをいつまで押し通すのか。西日本新聞社の謙虚で公正な視点、未来の共生を志向する「芯」を示した貴重な1冊だと思う。2020/03/10
香菜子(かなこ・Kanako)
22
新 移民時代――外国人労働者と共に生きる社会へ。西日本新聞社の著書。西日本新聞連載企画の書籍化。こういう現場取材は個人では難しいし西日本新聞のような大きな新聞社やメディアだからこそできるもの。西日本新聞だけではなくてほかの大きな新聞社やメディアもこういった現実をきちんと取材して読者に伝えてほしい。石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞・優秀賞受賞をしたのも納得の一冊。新 移民時代――外国人労働者と共に生きる社会へを読んだことをきっかけにして移民問題を真剣に考える人はきっと増えたはず。 2022/08/05
かんがく
16
今年度、日本の移民についての本は3冊目。西日本新聞の取材をもとにしているため、九州における労働現場や教育現場の実情が豊富なインタビューと共にわかる。制度面の問題だけでなく、地域住民たちの異文化理解が極めて重要。今後、日本の外国人人口は次々に増えていくだろうからどのように接していくかが課題となる。2020/06/25
ののまる
14
彼らは「労働力」ではなくて「人間」だ! 熊本地震の時にフル稼働でコンビニ弁当をつくって被災地を支えたのも彼らだ。なのに、だれもこの問題を見ようとしない。「入管庁」が来年設置され、在留資格も大きく変更になるいま、彼らの人権をちゃんと制度に盛り込んで欲しい。2018/10/27
G-dark
12
九州で暮らす外国人の実像についての本。留学生の不法就労、技能実習生の過酷労働の問題にも触れています。現代の蟹工船とも言うべき条件でこき使われ、給料は安く、就労ビザ取得は困難で、母国に帰る頃には日本が嫌いになっているのだそう。わたしは特に、外国人留学生・実習生の失踪についてのページに目をみはりました。2015年の1年間だけでも、福岡で157人、佐賀で14人、長崎で65人、熊本で89人、大分で61人、宮崎で34人、鹿児島で63人…計483人が失踪したのだそう。失踪先で犯罪被害者や加害者になっていませんように。2018/08/24
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