内容説明
ハイデガー、アーレント、ニーチェ、エリクソン…世代問題を哲学する。この混迷の時代、哲学は何をなすべきか。―日常の出来事を切り口として、現代日本の危機の相を穿つ。「世代」を軸に紡がれる“世界継承”の哲学。三部作の完結編にして、その導入となる始まりの書。
目次
第1部 死と誕生から、世代出産性へ(終わりへの存在に本来形はあるか―ハイデガーの死の分析から;出産と世話の現象学―死への先駆と世代出産性 ほか)
第2部 子ども、世界、老い(子どもと世界―アーレントと教育の問題;子ども、学校、世界―「リトルロック考」再考 ほか)
第3部 世代をつなぐもの(世代をつなぐもの―東京女子大学旧体育館解体問題によせて;死と誕生、もしくは世界への愛 ほか)
第4部 メンテナンスの現象学(作ること、使うこと、そして働くこと―着物と洗浄の現象学;リニア中央新幹線について、立ち止まって考える ほか)
著者等紹介
森一郎[モリイチロウ]
1962年埼玉県生まれ。東京大学大学院博士課程中途退学。東京女子大学教授を経て、東北大学情報科学研究科教授。専攻は近現代ドイツ哲学、現代における哲学の可能性(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ますたけ
0
世代間の断絶について、考えさせられる。2018/07/19
葉良沐鳥
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書評本文→「文藝・思想時報2」http://mahamaha.cocolog-nifty.com/kyoyo/2018/01/post-98ce.html(Blog教養の道リターンズ™) (抜粋) 〈死と誕生〉の一体性がまず本書の主柱としてある。 その際に著者が重視するのがエリクソンのライフ・サイクル論であり、「世代出産性」のために大人とりわけ「中年」が為すべきことである。 アーレントにしてもエリクソンにしても、咀嚼して自らの哲学となるまで理解を深める……◎快著2018/01/24