目次
第1部 非正規職シングル女性のライフヒストリー(一般職社員から派遣に。コツコツと25年働いてきた 千羽瑠さん;図書館司書として四つの図書館で働いてきた ゆかりさん ほか)
第2部 非正規職シングル女性問題にかんする論考(統計からみた35~44歳の非正規雇用に就くシングル女性;女性の非正規問題の新たな局面―貧困・孤立・未婚 ほか)
第3部 支援の現場から(対談 支援の対象になりづらい女性たちを、どう支援していくか(朝比奈ミカ×鈴木晶子)
非正規職シングル女性への支援と保障)
第4部 調査の概要と結果について(「非正規職シングル女性の社会的支援に向けたニーズ調査」の概要と結果)
著者等紹介
小杉礼子[コスギレイコ]
独立行政法人労働政策研究・研修機構特任フェロー。「学校から職業への移行」「若年者のキャリア形成・職業能力開発」などをテーマに、社会学的視点からの実証研究に携わる
鈴木晶子[スズキアキコ]
一般社団法人インクルージョンネットかながわ理事、NPO法人パノラマ理事。臨床心理士。大学院在学中よりひきこもり支援に関わり、若年無業者支援、生活困窮者支援などの現場を経験。生活に困難を抱える女性、若者、子どもの支援を中心に活動している。現在、在アメリカ合衆国
野依智子[ノヨリトモコ]
公立大学法人福岡女子大学国際文理学部教授。専攻は、女性労働史、ジェンダー、社会教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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katoyann
17
公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が実施した「非正規職シングル女性の社会的支援に向けたニーズ調査」の結果に基づいた研究報告書である。女性就労者の55%(本では56%、直近は54%)が非正規雇用で働いていることは周知の事実だが、調査では非正規の女性の7割が不本意(非自発的)であることが明らかにされている。また、非自発的非正規雇用労働者は、雇用不安のためにメンタルヘルスに問題を抱えやすいという結果も明らかになった。男性稼ぎ主モデルを前提とした社会構造の欠陥は明白である。雇用と賃金の保障が望まれる。2021/06/01
ブルーツ・リー
4
行政の手が回らない貧困問題のひとつに、未婚女性の貧困があるそう。 特に派遣社員で40代50代になってしまうと、正社員への道は殆ど閉ざされてしまって、ギリギリの生活でやっている人も多いそう。 しかし、ギリギリでやれてしまっているが故に、福祉を始め行政も介入する事ができず、「自己責任」で終わらされてしまう理不尽が起こっている。 社会的にも「奥さん」「お母さん」という地位が得られないとそのコミュニティに入っていけないから、孤立しがちで、趣味でもなんでも、誰かに繋がる事が、必要な支援になるという。2022/02/10
ひだり
2
今はなんとか働ける状態だから顕在化してこないけど、ゆくゆく行き詰まってしまった時に、一気に問題化するだろう問題だと思われる。やはり配偶者控除はなくすべきだし、派遣の3年抵触も意味があるのかと思う。2024/02/04
あろあ
2
なぜか図書館で面だししていて、私に読んで!ってアピールしてきたので借りた。私たちのこと心配していただいてありがとうございます。新卒からずっと非正規ですが、正規より良い働きしてるのにとか正規と同じ会議出たいとかは思ったことないです。非正規なりの働きで非正規なりのお給料をいただいてます。最初は正規で働きたかったですがもうあきらめています。雇用継続の不安はありますが非正規の気楽さを覚えた今、正規で働くのは怖い。2020/12/28
ゆき
2
非正規雇用のシングル、私もなっていたかもしれない。ただ、いつも女性の貧困問題に関する本を読むと福祉はどこまでやれば良いのかと考えてしまう。北欧型の高福祉社会になれば税金はずいぶんと高くなる。それが嫌ならば、やはり誰かにしわ寄せは行く。職場の非正規の女性たちを見ていると、教育(学歴ではなく)を受けてこなかったことが現状を招いているように思える。次世代の彼女たちを作らないために貧困家庭の子どもたちにも教育を受けさせて欲しい。2018/03/27