内容説明
「テキサス大学不平等プロジェクト」で格差・貧困を分析。経済的不平等の入門書。
目次
第1章 不平等を心配すべきだろうか
第2章 経済思想史における不平等
第3章 分類別の不平等
第4章 分配についての主要な概念
第5章 不平等の尺度
第6章 アメリカにおける所得の不平等の変化の原因
第7章 世界における所得の不平等の変化の原因
第8章 われわれはヴィクトリア時代に戻るのか
第9章 規範と帰結
第10章 不平等に対する政策
第11章 富と権力に関するノート
補論 経済の平等は戦争での勝利を導くか
著者等紹介
ガルブレイス,ジェームス・K.[ガルブレイス,ジェームスK.] [Galbraith,James K.]
テキサス大学オースティン校、リンドン・B・ジョンソン公共政策研究科教授。1952年生まれ。父は高名な経済学者ジョン・K・ガルブレイス。ハーバード大学(B.A.)、イエール大学(Ph.D.)。ポスト・ケインズ派の経済学者で、UTIP(テキサス大学不平等プロジェクト)を主宰
塚原康博[ツカハラヤスヒロ]
明治大学情報コミュニケーション学部教授
馬場正弘[ババマサヒロ]
敬愛大学経済学部教授
加藤篤行[カトウアツユキ]
金沢大学人間社会研究域経済学経営学系准教授
鑓田亨[ヤリタトオル]
名古屋商科大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
29
2014年初出。証拠の重視は、「テキサス大学不平等プロジェクト」(UTIP)の研究に起因している。不平等のマクロ経済学の幕が上げられ、世界全体に影響を与える諸力の結果としての不平等の変化についての研究の幕も上げられたのである(13頁)。重要な問題は、不平等が経済システムの全体的な経済的および社会的パフォーマンスに対して、果たしてよい効果を持つのか悪い効果を持つのかというものである。必要なのは、社会あるいはシステム全体という立場からの視点を持つことである(25頁)。2018/03/14
Humbaba
4
平等であることが正しいという考えは多くの人が持っている。しかし、人の作る社会は完全なものではないため、不平等という正しくない状態が改善されずに残ってしまう。いずれは改善される可能性はあるものの、それは何もしなくても自動的に進むものではなく、人がその方向に変えていこうとして初めて成立するものである。2017/12/03
トッシー7
3
不平等と言っても、何をもって不平等とするのか、色々な指標をどう見るか、簡単に比較するのは難しいと感じた。2018/05/09
Hidekazu Asai
0
本書は、世界一金持ちはビル・ゲイツは本当だろうか、とスリリング(でもないかw)な問いをしている。 アメリカでは資産開示は求められるから、資産がわかってしまうし、ビル・ゲイツはほとんどは株で所有している。一度に売り払えば株は下落していくのだ。 そして、資産開示をしていないアラブの石油王やロシアの略奪する富裕層がビルゲイツより金持ちではないか、と疑問を投げかける。 その鋭さは、実は戦争は国が平等であればあるほど、勝っているという実証データをもとに主張する。2018/10/15
fuutaudi
0
卒業論文のため読んだ本です。不平等についての研究をする人にとってはとても参考になり、いろいろな仮説も立てられるのではないかと思います。また、不平等の尺度や不平等のタイプごとの説明もあり、不平等や格差の問題をあまり学習していない人にとっても読みやすいものだと思います。個人的には最後の補章がとても面白いと感じました。2018/09/01
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- 和書
- 潮風の下で 宝島社文庫