内容説明
一八六五年、薩摩藩の留学生として海を渡った長沢鼎は宗教家ハリスに導かれ、カリフォルニアの宗教コロニーでブドウを植えやがて一大ワイナリーの経営者として世に知られることになる。十九世紀末から二十世紀初期、世界が混乱に突入する激動の時代に異国の地の「ユートピア」でワインづくりに生涯を捧げたひとりの日本人の波瀾に満ちた足跡をたどる。
目次
第1章 欧米に目覚めた幕末期(イギリス公使館襲撃事件;生麦事件から薩英戦争へ;イギリスへ留学生の派遣)
第2章 ロンドンでの留学生(グラバー家の支援と薩摩藩;学び始めた留学生)
第3章 日本人留学生を導いた二人の宗教家(オリファントとハリス;ハリスの宗教コロニー;分裂する日本人留学生)
第4章 トマス・レイク・ハリスとは何者か?(新生国家日本のビジョン;宗教コロニーの歴史的背景;三つの異なるタイプのコロニー;ハリス・コロニーの神学)
第5章 長沢鼎のワイナリー経営(カリフォルニアに新天地を求めて;ワイン・キング長沢の歩み;カリフォルニアの名士と移民排斥;晩年の厳しい試練;今日に生きる長沢鼎)
著者等紹介
上坂昇[コウサカノボル]
1942年、東京生まれ。東京外国語大学卒業時、時事通信社、小学館、在日アメリカ大使館を経て、桜美林大学教授(アメリカ研究)。2013年から同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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