目次
第1章 ネルーとガンディーの対話―交換書簡を通じて
第2章 ガンディーとスバース・チャンドラ・ボース―一九三九年の政治危機
第3章 ガンディーとアンベードカル―「不可蝕民問題」をめぐって
第4章 ガンディーとインド人企業家
第5章 ガンディーとインド農民
第6章 ガンディーと女性
第7章 インドの分離独立とガンディー暗殺
特論 日中戦争期のガンディーをめぐる日本人知識人
著者等紹介
内藤雅雄[ナイトウマサオ]
1940年福井県生まれ。東京外国語大学インド・パーキスターン科卒業。東京大学大学院人文科学研究科修了。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授、専修大学文学部教授を経て、東京外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
42
ガンディーの名前の由来。グジャラーティー語なら「ガーンディー」。元々は「匂い」を意味するgandh。そこからgandhiという匂い物を扱う商人をサシ、現在は食糧雑貨商あるいは薬剤師を意味する(9頁)。世界一長文のインド連邦憲法(英語)は1950年に成立(97頁)。不可蝕民問題の解決は社会の差別を行ってきたカースト・ヒンドゥー自身の自主的な「心の変革(hridaya parivartan)こそが求められるべきだとされた(111頁)。最も金のかかる政府(植民地政府)2017/06/22
mittsko
5
ガンディーとは誰か… 本書はこの問いに、ガ翁と周囲の人々との融けあいとすれ違いをすくい上げることで答える。ネルー、ボース、アンベードカルという巨大な指導者たち、資本家、農民、女性という人びと、ガンディーの暗殺者、あるいは日本の知識人たち… 全人類と一つになろうとしたガ翁、しかし信念と決断と行為に生きた人であるがゆえ、彼らとのすれ違い、対立対決は避けがたく激しいものだった… 本書の歴史研究が粛々と示すのは、そうした姿です。内藤先生曰く、先生のガンディー論の「総仕上げ」。静かな迫力に満ちた、文句なしの高著!2019/02/24