思想戦 大日本帝国のプロパガンダ

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  • サイズ B6判/ページ数 417p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750344362
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0021

内容説明

「アジアの解放者」日本を内外に宣伝する「思想戦」。その戦士となることを国民は自ら選び加担した。十五年戦争の長期にわたり総動員体制を持続させたプロパガンダのメカニズムと参加した国民の実像を描く。戦後にも継承された日本的プロパガンダの危うい本質を抉る傑作、待望の邦訳登場!

目次

序章 万人の、万人による、万人のためのプロパガンダ
第1章 「武器なき戦い」―プロパガンダ専門家とその手法
第2章 「姿なき爆弾」への対処―社会規範の規定
第3章 軍官民の協力関係―広告とプロパガンダ
第4章 娯楽と戦争―プロパガンダに加担した演芸人の軌跡
第5章 三つ巴の攻防―中国大陸を巡る思想戦
第6章 「精神的武装解除」の実現―敗北に向けた準備
終章

著者等紹介

クシュナー,バラク[クシュナー,バラク] [Kushner,Barak]
プリンストン大学から博士号を取得。ノースキャロライナのデイヴィッドソン大学歴史学研究科、米国国務省東アジア課等を経て、現在ケンブリッジ大学アジア・中東研究科日本学科准教授

井形彬[イガタアキラ]
慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程在籍。ジョージタウン大学への交換留学を経て、国際基督教大学教養学部国際関係学科卒業。コロンビア大学大学院政治学研究科修士課程修了。ケンブリッジ大学客員教授、日本再建イニシアティブ・リサーチャー、Pacific Forum CSIS・SPFフェロー、デロイト・トーマツ・コンサルティング客員研究員、多摩大学ルール形成戦略研究所客員研究員など、国内外のアカデミア・シンクタンク・コンサルティングで研究活動に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

15
本格的な日本プロパガンダ論。「日本人は嘘がつけないからプロパガンダが苦手」という言説そのものがプロパガンダの所産であり、しかもそのことは戦前からアメリカに見透かされていた(64〜66頁)。ぐうの音も出ません。実際、大日本帝国のプロパガンダは政府のみならず知識人やビジネス界まで巻き込み展開された。とりわけ、娯楽産業の取り込みはドイツより高いレベルに達していた。また、ドイツと異なりプロパガンダの担当者が戦後も責任を問われず活動を続けることができた。等々、考えさせられる指摘が多い。2024/04/23

CCC

13
戦前・戦中の日本のプロパガンダは稚拙であり、それ故に失敗したという認識に一石を投じる内容。日本のプロパガンダは多彩で、その中には有効だったものや、現代に影響を残しているもの(例:近代的なアジアのリーダーイメージ)もあると指摘している。観光宣伝に関わる知識人がトイレの悪臭を何とかしないと「近代化された日本」の説得力が一瞬で消し飛ぶと危機感を抱く話、お笑い芸人の具体的なネタ(便利兵みたいな茶化しは探せば現代でも使ってる人がいそう)、まともな対日本宣伝専門家がいなかったアメリカ、といった話は知らない側面だった。2018/01/31

tama

12
図書館本 ラーメンの歴史学書いた人なので興味持って 結構面白く読んだ 日本は優れた心を持ち、朝鮮・中国・東南アジアなどの遅れて動物並みの連中を救う目的で戦いを始めた、というのは戦後世代でも100%信じているのが未だに多い。その結果、ふんぞり返るというのを平気でやっている。ある意味国内向けプロパガンダは効果があったので、敗戦は終戦で、戦争責任はすべて軍にあり、政治家も産業界も、一緒になって踊ってた庶民も誰も悪くないという終戦処理政策の通りになった。優れた論文といってよいかと。2018/10/29

我門隆星

3
こういうのを字義どおりの「リビジョナリスト」と言うのかもしれないが。 戦前・戦時中の日本におけるプロパガンダを適切に資料を参照しながら書き起こしたテキスト。 ……けっして、表紙の印象のような、あるいは類似書籍のような「イロモノ」ではない。2017/07/16

トビケ

2
プロパガンダというと中央集権的なイメージを持つが、軍や政府だけではなく、インテリ層やメディア、娯楽業界に至るまで、自発的に、分権的に加担していたのが日本式。そしてそれは戦前と戦後で切れ目がなく、今も同様の力学というか、磁場が日本を覆っている。現代まで敷衍できて、この手の本としては稀有な程に有用。また、日本人の歴史認識がある意味で歪んでないが故に、隘路に入り込んでしまっていることもよくわかる。戦後成功体験のおまけ付きだったのだから尚更。全体的にスタックしている令和の時代にこそ読むべき本。2021/05/08

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