目次
第1部 ルーシからロシアへ(キエフ・ルーシの時代―国家の建設と諸公の分立;タタールのくびき―異民族支配のもとで ほか)
第2部 ロシア帝国の時代(ツァーリと女帝―ピョートル改革に起因する女帝の誕生;ロシア帝国の領土拡張―多面的帝国の実相 ほか)
第3部 ソ連邦の時代―「ユートピアの逆説」(レーニン―後進ロシアを社会主義の道へ;戦時共産主義とユートピア―新しい人間の創造 ほか)
第4部 変容するソ連―危機の30年(フルシチョフ改革―非スターリン化から共産主義建設へ;冷戦と米ソ関係―対立と協調の二重螺旋 ほか)
第5部 よみがえるロシア(エリツィンとその時代―苦難に満ちた体制転換;ウクライナとロシア―ウクライナの対ロ姿勢と内政 ほか)
著者等紹介
下斗米伸夫[シモトマイノブオ]
法政大学法学部国際学科教授。1948年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学法学博士。成蹊大学教授をへて1988年より現職。専門:ロシア政治、ソ連史、冷戦史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
68
「予測できない過去を持つ国」ロシア ”ロシアは頭ではわからない、感じるだけだ”byフョードル・トゥトチェフ 古儀式派(ロシア正教異端)とソビエト、革命との関係、が驚いた。共産革命じゃなかったわけ? ロシアの歴史がぎっちり。 2016年刊2022/05/11
鯖
18
2/3強がソ連の歴史に割かれたロシアの歴史。理解しきれる分量ではないので流し読み。ソ連式フォトショップは知ってたけど、処刑シベリア送りにされた人々の家族は家族写真やアルバムの彼等の痕跡を塗りつぶし、家庭レベルでも彼等の存在をなかったことにしなければならなかったというのがウワーってなった。銃殺されるため、嘲笑の中、罪を認めそれっぽく動機等を裁判で弁論しなきゃならんかったというのもひどい。「歴史研究は危機によって触発される。ロシア史は常に再解釈され、読み直され、読み替えされる」という後書きの結びがいとおかし。2022/05/15
こぽぞう☆
18
50章のうち革命以降が34章ある。従ってソ連邦、ロシア連邦を知るための本である。50章をそれぞれ専門家が書いているのだが、当たり外れが大きい。支離滅裂な文章で理解不能のものもあれば、書中にあげた統計をただ日本語に直しただけのものも。また、著者がそれぞれ専門用語を使うので、それもキツかった。古儀式派とソヴィエトとの関係、そして共産主義との関係は、これまで日本では一般的ではなかったのでは?2016年の出版なので、ごく最近のことまで書かれているのは良かった。常に予想を裏切る国ロシア、これからどうなるのか?2017/02/26
はなよ
14
題名とは違い8割ぐらいはソ連の歴史が書かれている。 このシリーズは他に何冊か読んでるけど、近代の複雑な国際事情のせいで本書がダントツで難しいと思う。 その分、ロシアの近代史を知りたい人は満足できると思う。2021/11/23
ようへい
10
私の職場に、ロシアの事をちょくちょくソ連と言ってしまう人がいますが、昭和生まれの一般人にとっては、正直ソ連のイメージが強い。ロシアがウクライナに侵攻した最近の激震に、何故今ヨーロッパで戦争が起きるのか全く理解できず、ちょうど『同志少女よ、敵を撃て』を読んでソ連・ロシアに興味を持ったこともあり、まずはサクッと概要でも、と思い本書を手に取りましたが、たかが一冊で理解できる程甘くはなく、そもそもの成り立ちから複雑過ぎて無理。民族自決と国家主権・領土の双方のジレンマがあるみたい。他の本も読んで知識を深めよう。2022/05/30