内容説明
不安や喪失感を乗り越え、自分らしさを取り戻した聞こえづらい人たちの知恵と工夫。競争の激しいマスコミで働く敏腕編集者を襲った聴力の喪失。否認、怒り、悲しみなど様々な感情に翻弄されながらも、持ち前の行動力で専門家や同じ障害を抱える人々を取材。自身の体験を織り交ぜながら、原因、対処法、生活上のアドバイスをまとめたノンフィクション。
目次
1 音が消えていく
2 理由をさがさずにはいられない
3 騒音なんて気にしてなかった
4 隠れた障害・隠せる障害
5 隠せばよけいに悪くなる
6 補聴器、この恥ずかしきもの
7 値段が高いのにはわけがある
8 人工内耳
9 リハビリ落ちこぼれ
10 聞こえるふりをして働く
11 耳鳴りと目まい
12 再生医療はいつできる
著者等紹介
ブートン,キャサリン[ブートン,キャサリン] [Bouton,Katherine]
元ニューヨークタイムズ編集者。日曜版別冊、書評欄、本紙の科学面、文化面などを担当。ライターでもあり、ノンフィクションやレビューを『ニューヨーカー』、『ニューヨークタイムズ』日曜版別冊など多数のメディアに発表してきた。現在は『ニューヨークタイムズ』火曜日の科学面に寄稿している。夫のダニエル・メナカーとともにニューヨーク在住。二人の子供は成人している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なるみ(旧Narumi)
26
とても勉強になる一冊でした。10章「聞こえるふりをしてはたらく」が特に印象に残りました。原題は”Shouting Won’t Help”とのこと。巻末の註も大変充実してました。訳がニキ・リンコさんでした。2020/09/09
vinlandmbit
22
図書館本。また時間が経ってから再読したいと思える一冊。なんらかの聴覚に関する悩みを抱えている方におすすめしたい一冊です。2024/02/14
みにまい
2
これはアメリカでの話で補聴器調整はオーディオロジスト(博士号必須)が行うなど、日本とは多少事情が異なりますが、難聴者について参考になる点も多いです。第10章で、『耳が聞こえなくなった人々は周囲の反応を恐れて公表をためらう。偏見を持たれはしないか、老けて見られないか、頭が悪いと思われないか、と思うと怖い。でも今なら私にもわかる。老けて見えるのも、頭が悪いと思われるのも、障害を隠すせいなのだ。場に合わない質問をする。(略)そんなことでは「協調性」など発揮できない。』とある。是非多くの人に読んでもらいたい。2016/04/12
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