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内容説明
祖父の診断は正しかったのか?その診断書を手に、孫が真相追及の旅に出た―。
目次
東京裁判での奇行
若き哲学者/愛国者
ライム・アヴェニューの家
天からの使命
未解決事項
昭和維新
軍精神科医になるまで
アジア解放への戦い
衰弱
無意識の意識
審判
東洋と西洋の魂
著者等紹介
ヤッフェ,エリック[ヤッフェ,エリック] [Jaffe,Eric]
ジャーナリスト。作家。コロンビア大学ジャーナリズム大学院卒。「スミソニアン・マガジン」の編集者を経て、現在はThe Atlantic誌により運営されるウェブサイトThe Atlantic Citiesに寄稿している。祖父は東京裁判にて大川周明の精神鑑定を行ったダニエル・ヤッフェ医師である
樋口武志[ヒグチタケシ]
1985年福岡県生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。2011年まで株式会社東北新社に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
25
単なる評伝と異なるところは、著者の祖父が大川周明を鑑定した精神科医だったこと。本書は、詐病を見抜けない間抜けと非難された祖父の汚名を雪ぐために著されたと言える。著者は祖父を信じる以上、当然ながら大川も信じている。その大川の子孫と著者が山形県で邂逅する。大川側も、東条英機の禿頭を叩いたタイミングが良過ぎて誤解されたと悔やむ。双方の先人に対する敬意と誇りが胸を打つ。2020/03/23
Haruka Fukuhara
8
とても面白かった。立ち読みだったのでまたじっくり読みたい2017/10/13
駄目男
4
公判初日という、あまりにもタイミングが良すぎる日の発狂。大川は一種の天才児でコーランの翻訳、開闢以来、2600年間の日本の歴史研究、西洋植民地主義に対する精緻な分析、孔子、孟子、カント、プラトンなどに精通し英語からサンスクリット語など8か国語を自由自在に話すことが出来るという超人は、やはり天才と何とやらは紙一重だったのか。公判前の尋問では、これと言って変わったところはないと見受けられるが、どうしてあのような奇行に出たのか。信じていた東條で勝てなかったことが発狂の起因なのか。 真実は大川のみぞ知る! 2016/08/07
田中峰和
1
東條英機ポカリ事件は狂気のためか、責任回避のためなのか。従軍精神科医ダニエルの診断をきっかけに釈放された大川周明。詐病扱いする世論に納得いかない医師の孫が真実を求めて4代前まで調べたドキュメンタリー。精神病から我が子を殺害したユダヤ移民の曽祖母。その子ダニエルは従軍の精神科医になり、やがて東京裁判で大川周明を診断する。大川や東條の近親者の証言を始め多くの研究者の見解を集め謎解きする展開はエキサイティングだ。異なる人生を歩む大川とダニエルを結びつける精神病。除隊狙いと裁判逃れ、精神病に共通するテーマだ。2015/10/13
Hisao Chugun
1
東京裁判で東条英機の禿げ頭をひっぱたき、発狂したとして裁判から除外された大川周明。それを診断したアメリカ人医師。二人の人生を追いながら、一瞬の邂逅にたどり着くまでが書かれている。戦争が二人をいかに打ち砕いていったか、忘れ去られてことを再発見しようとするドキュメンタリー。著者が日本版へのあとがきで書いているように「歴史を忘却することは、自身を忘却することに等しい」大川についての見方は僕とは考えを異にする部分もあるが、見たいものだけ見る、というヘタレ根性を排除して、歴史を見つめるきっかけになり得る本。2015/09/22