内容説明
昭和32年、群馬県の相馬ヶ原で「弾拾い」をしていた日本人女性が射殺された。まるで雀を射つように銃撃した米兵に、「重罰」を科さないとの日米密約が交わされ、日本の司法は執行猶予の判決を下す。なにを裁き、なにを裁かなかったのか?米兵犯罪のうらにある真の罪科をいま、鋭く検証する。
目次
第1章 米兵ジラードの犯罪(薬キョウによる殺害;意外な情報源;相馬ヶ原;弾を拾う)
第2章 米兵を立件する(社会党の追及;困難な米兵の立件に挑む;裁判権をめぐる係争)
第3章 「ジラード事件」と昏迷するアメリカ(裁判権で迷走するアメリカ政府;ジラード側、政府を訴える;新聞と世論;紛糾する議会)
第4章 下された判決と日米の密約(裁判権の行方と密約の存在;公判はじまる;判決とその評価)
著者等紹介
山本英政[ヤマモトヒデマサ]
独協大学国際教養言語文化学科教授。1953年生まれ。アメリカ移民史、戦後史、歴史研究専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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