目次
第1章 戦争の経緯
第2章 記憶する側
第3章 忘れ去る側
第4章 抑圧の文化
第5章 分断の三八度線―忘れられた占領
第6章 「最も不公平な結果」―空爆
第7章 記憶の洪水
第8章 アメリカと冷戦を作り直した「忘れられた戦争」
第9章 鎮魂―和解への動きのなかで
著者等紹介
カミングス,ブルース[カミングス,ブルース] [Cumings,Bruce]
1943年生まれ。コロンビア大学で政治学を学び、同大学よりPh.D.取得。シアトルのワシントン大学国際関係学部助教授を経て1987年からシカゴ大学歴史学部教授。2014年、同大学スウィフト冠教授
栗原泉[クリハライズミ]
翻訳家。米国セント・メリー大学卒業
山岡由美[ヤマオカユミ]
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。出版社勤務を経て、翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Isamash
21
ブルース・カミングスシカゴ大教授2010年著作。米軍による無差別殺戮の点で、朝鮮戦争をベトナム戦争と同様であったことを調べ上げた著作。米国による報道規制の大きさに驚かされたが、北朝鮮への無差別の徹底破壊的な航空爆撃、韓国軍の酷い住民や捕虜の虐殺を初めて知って驚かされた。ただ人道面のみならず戦争の背景をもっと知りたかったかも。近代の韓国史は知らないことだらけだが、日本の陸軍学校卒業生たちが政治権力を握っていくことも驚き。その時代からハイテクや芸能で成功した今の韓国がどう生まれてきたのか、興味が新たに湧いた。2024/05/03
ミネチュ
2
アメリカ人は朝鮮戦争のことをよく知らないそうです。「知られざる戦争」「忘れられた戦争」なのだそうです。 アメリカ(と韓国)が朝鮮戦争時に行った虐殺や残虐行為についても書かれているし、朝鮮戦争前の済州島での大虐殺事件も書かれています。 週末ごとに少しずつ読んだのですが、最近、忙しくて睡眠が足りていないこともあり、またなかなか難しい内容でもあり、居眠りして何度も本を落としました2019/03/02
ゆきんこ
1
記述は丁寧で勉強になったが、結語で人道主義的、倫理主義的に議論を収斂させる。「アメリカ人がアメリカ人のために書いた本」だと自称しており、記憶の喚起としてはいいのかもしれないが、、、。2023/04/13
K.C.
1
極めて難解。私の能力で理解するには正直難しすぎた。タイトルに惹かれて手に取ったのだが、ついていけなかった。アメリカの中で、第2次世界大戦の次がベトナム戦争であるように捉えられているというところまでは理解できたものの、その背景は、もっといろいろなことを私が勉強していかないと、特に文中の登場人物のうち、米国政府関係者のバックグラウンドをもうちょっと理解しないと、読んだとまでは言えない一冊。2014/07/29
キミ兄
1
朝鮮戦争の原因はあまり語られることがないが、本書では日本の占領が朝鮮を二つに分けたと主張。また開戦前後の南北の間に起きた惨劇。南北の融和が進まない原因ともなった。歴史の空白を埋める本。哲学的な叙述は不要。☆☆☆。2014/07/27